Blackmagic Designの発表によると、エンターテインメント&レジャー大型客船「アイーダ プリマ」および「アイーダペルラ」のオーディオ&ビジュアル設備の中心として、Blackmagic Designのスイッチング、ルーティング、モニタリング用機器をなどのインフラ製品が使用されているという。同船の設備にはコンテンツ制作用に最先端の放送ギャラリーも設置されている。

アイーダ・クルーズ社による二客船には、ビジョンミックス用のATEM 2 M/E Production Studio 4KおよびATEM 2 M/E Broadcast Panel、規格とフレーム変換用のTeranex Express、さらに船全体の信号管理用として複数のUniversal Videohub 288ルーターがインストールされている。

船上のコンテンツ制作チームは、ライブ番組、クルーズの旅程、イベントスケジュールなど日替わりの番組を毎日作成し、全1,643室のキャビンおよび多数の共有スペースに設置されたテレビスクリーン、さらには可動式LEDスクリーンと三階層の客席を擁する多目的シアターで上映している。

放送ギャラリーは、シアターに設置された3台のPTZカメラから信号を受信するだけでなく、船内の小型テレビスタジオおよび55箇所の光ファイバー接続ポイントにリンクされている。これらの接続ポイントは船上の共有スペース各所に設置されているので、制作チームは柔軟に撮影が行えるという。アイーダ・クルーズのマネージャー兼放送&メディア技術担当のステファン・バックマン氏は次のようにコメントしている。

バックマン氏:アイーダの全船において、私たちは船上番組の品質、多様性、創造性に誇りを持っています。私たちのライブ番組は一般のテレビ放送と同等の品質でなければなりません。アイーダプリマやアイーダペルラでは、船内のエンターテインメントとして人気テレビ番組のアイーダ版を作成します。ライセンス保持者と提携して行うこれらの制作では品質がより重要となります。

各船の放送ギャラリーの中枢を担うのは、ATEM 2 M/E Production Studio 4とBroadcast Panelだ。ライブ番組のビジョンミックスや船内再生システムへの送信はこれらの機器で行われる。両クルーズの番組にはゲストパフォーマーたちが出演するが、彼らの多くがライブ番組で使用するビデオを持参する。それらの素材をソースの種類に関係なく1080i50に統一する作業には、Teranex Expressが使用されている。

バックマン氏:航海に出た後、最後の仕事はパフォーマーのビデオを船のシステムに合わせる作業です。Teranexは完全な順応性を持っているので、制作チームは受け取る素材の種類に関わらず確実に番組を続行できます。

船全体におよぶオーディオ&ビデオ信号のルーティングは、2台のUniversal Videohub 288ルーターで行われている。またこれらのルーターは、アイーダ社がVideohub SDKでカスタム作成した独自のコントロールアプリで制御されている。同アプリは、船上で接続された光ファイバーポイントとディスプレイがすべて確認可能なインタラクティブなマップであり、必要であれば本国ドイツのハンブルクに控えるアイーダのメイン技術チームが遠隔操作することも可能だ。

バックマン氏:複数のシステムから検討していましたが、私たちのライブ制作、信号伝送、デジタルサイネージ、ポストプロダクションに必要な柔軟性をすべて満たすのはBlackmagic Designを中心としたソリューションであることは明らかでした。Blackmagic Designのソリューションは強固で信頼性が高く、簡単に使用できます。テレビ放送局に匹敵するセットアップが完成しました。