Avidブース 360°全天球動画

RICOH THETA Vで撮影した360°全天球動画です。視点変更機能を利用するにはPC版Google ChromeブラウザおよびiOS/Android版YouTubeアプリが必要です。(アプリ起動はこちら)

ゼロクライアントでMedia Composerを動作する「Media Composer | Cloud VM Option」を参考出展

アビッドブースでは、ビデオ、オーディオ、グラフィックスの3つのコーナーに分けて展示。ビデオコーナーの注目はIOデバイスの展示だ。11月15日に発表したIPインターフェイス搭載の「Avid Artist | DNxIP」は展示されていなかったが、NABで発表した「Avid Artist | DNxIQ」やIBCで発表した「Avid Artist | DNxIV」の展示は行われていた。

奥のIOデバイスが「Avid Artist | DNxIQ」で、手前のIOデバイスが「Avid Artist | DNxIV」

「Avid Artist | DNxIQ」は、Thunderbolt 3とPCIe 3をサポートし、SD、HD、2K、UHD、4Kコンテンツのキャプチャやモニター、出力を特徴とするIOデバイス。一方、「Avid Artist | DNxIV」は、AJAのIo 4K PlusにAvidの仕様に準拠したアナログマイク向けの内蔵オーディオ入力端子を追加したIOデバイスだ。

DNxIQは2RUラックマウント型でコンポーネントとXLRコネクタといったレガシー接続のインターフェイスを持っており、DNxIVはSDIと8チャンネルサラウンドモニタリングやノートパソコンで作業をするのに便利な小型でポータブルなところが特徴といえるだろう。

Io 4K Plusとほぼ同一だが、DNxIVはパネルの前面にアナログマイク向けの内蔵オーディオ入力端子を搭載している

「Media Composer | Cloud VM Option」の参考出展も面白い展示で、いつもデモ機のまわりに人の輪ができていた。「Media Composer | Cloud VM Option」や「MediaCentral | Cloud UX」を米国に設置しているMicrosoft Azureのクラウド環境で動作させて、そのサーバーに幕張からアクセスして作業をするデモが行われていた。

ゼロクライアント上で動作するMedia Composer | Cloud VM Optionで、HDの編集が体験できるようになっていた

アビッドブースでは、ゼロクライアントと呼ばれるOSレスでネットにつながるだけの端末「HP t310 G2 Zero Client」を使用していた。ゼロクライアントにはMedia Composerは入っていないが、普通に編集作業を行うことができていた。

インターネット経由で海外のサーバーにアクセスしているためか、レスポンスは若干の遅れがあるが、通常のドラマの編集などを行うぐらいならば十分に使える感じだ。素材はすべてサーバ側で管理されており、幕張側の端末からクリップを足すことはできない。また、マスモニにも繋げたり、IOなどのデバイスをつなぐこともできない。SDIに出力することはできないが、フルスクリーン再生などは可能だ。

これまでの番組のオフライン編集というのは、オフライン用の素材をハードディスクに入れて各自に配布をして作業を行っていた。しかし、クラウドの環境になれば、Media ComposerをインストールしたノートPCを持ち歩いたり、素材を各自にコピーしなくてもよい。データをクラウドに準備するだけで関係者は作業ができるようになる。

また、作業用のノートPCが5台や10台にもなればメンテナンスの維持費もかかる。それがMicrosoft Azureの契約の部分に置き換えることができ、管理が楽になるメリットもある。端末のバージョン管理もすべて統一でき、素材の流出もない。そして、最大のメリットは端末の価格だろう。アビッドブースのデモに使っていたクライアントの場合は税別34,800円からだ。

税別34,800円より販売されているゼロクライアントでMedia Composerを動作させるデモが行われていた

スポーツ/ニュース/グラフィックスソリューションを展示

報道のコーナーでは、ニシコンの報道支援システム「Japrs」とアビッドのシステムが連携するインターフェイスソフト「JNews」の展示を行っていた。報道支援では、取材予定やュースCueシート作成までの一連の作業が行えたり、編集が終わると、送出サーバへのプレイリスト送信など外部機器との連携機能を搭載しているのが特徴だ。

アビッドの報道ソリューションとニシコンJaprsとの連携を展示

スポーツのコーナーでは「FastServe | Live Edit」を展示。サーバ本体はFastServe、コントローラはLive Editがセット商品になったもの。基本的には、中継車やスタジオサブでアビッドの編集機と接続し、生放送のスポーツ放送に対してスロー出しやハイライトパッケージを作ることができる。サーバはHDであれば8系統収録や再生ができ、使い勝手のよいインテリジェントコントローラで操作が可能。

「FastServe | Live Edit」のコントローラー。ライブ映像制作に最適化されている

多くのスタジアムで導入実績があるというアルタイムマルチスクリーンビデオウォールの「PowerWall」も展示されていた。たとえば、福岡のヤフオク!ドームでは、横長3面構成のスクリーンの左右に少し小さなスクリーンを配位しているが、PowerWallはこのようなモニターの構成でも対応可能。マルチ解像度出力や出力レイアウトを自由に設定できるの。

スタジアムクラスの大型ビジョンから放送・イベントスタジオセットまで多彩な映像演出を実現できる「PowerWall」