AJAブース 360°全天球動画
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InterBEEで発表した「Io IP」や、IBCで発表した「Io 4K Plus」「Ki Pro Ultra Plus」などを展示
AJAは、InterBEEの会期に合わせて放送向けIPワークフロー対応のキャプチャー&出力デバイス「Io IP」を発表。ブースではさっそく実機が展示されていた。AJAはすでにIPベースワークフロー向けI/O拡張カードの「KONA IP」をリリースしているが、KONA IPのデバイス版と考えていいだろう。Thunderbolt 3を利用して、HD/SDビデオやオーディオをIPネットワークからインジェストしたり、IPネットワークへ出力することができる。発売は2018年2月で、税別318,000円。
IBCで発表したThunderbolt 3対応のキャプチャと出力に対応したデバイス「Io 4K Plus」も展示の目玉だ。12G-SDIやHDMI 2.0、I/O接続性能も備えており、オーディオ機能と最大50p/60pの4K/UltraHDフレームレートにも対応している。
AJAからダウンロードできるMac/PC向けドライバとアプリケーションプラグインを利用することで、Adobe Premiere ProやApple FCP X、Avid MediaComposerなどの制作ツールと統合させることもできる。
IBCで発表したファームウェアV2.0で動作する「Ki Pro Ultra Plus」の実機が展示されていた。今回のアップデートでHLGやHDR 10プレイバックなどのHDRフォーマットに対応。また、最大2K60pまでのProRes 4444 XQの収録や再生にも対応する。
今年のNABで発表したフレームシンクロナイザー兼コンバーターの「FS-HDR」も展示されていた。HDRやWide Color Gamut処理に対応し、リアルタイムで4K/UHDや2K/HDへ変換が可能。アカデミー賞やエミー賞の受賞歴のある開発会社「Colorfront」のHDR技術を搭載しているのも大きな特徴だ。
注目はHDR。コンバーター/フレームシンクロナイザーやレコーダー、IOボックスなどが続々と対応中
コンバーターからレコーダー、IOデバイスなど、放送とポストプロダクションに欠かせない機器をリリースするAJA。最新トレンドをいち早く反映させ、HDRやIP関連に対応した新製品のリリースが続いている。AJAは、次世代ワークフローを実現するうえでも欠かせないブランドと言えるだろう。AJAは今後、どのような製品開発を考えているのか?InterBEEの会期に合わせて来日したAJA社ニック・ラッシュビー社長に話を伺った。
――今年のAJAブースの見どころはズバリなんでしょうか?
InterBEEに合わせてThunderbolt 3対応に対応した「Io IP」を発表しました。放送向けIPパイプラインに対応するモバイルI/O製品です。さらに、パートナーの1つでもあるAvidでもAJAと共同開発を行った「Avid Artist | DNxIV」や「Avid Artist | DNxIP」をリリースしました。また、AJAブースでは、HDR対応の製品を多数展示しております。多くのお客様に興味をもっていただいて、予想以上の反響に驚いています。
――以前より、AJAは世界初のProResカメラ収録デバイスのKi Proなど、アップルの技術を使ったメーカーとしても有名です。アップルとは何か特別な関係があるのでしょうか?
ラッシュビー氏:アップルはパートナー企業です。次のテクノロジーに向かっていろいろな開発に取り組んでいます。特にアップルは独自にThunderbolt 3を広める活動もおこっています。アムステルダムで開催されたIBC 2017で、我々はThunderbolt 3を採用したIo 4K Plusを発表しました。Io IPもThunderbolt 3に対応しています。
――AJAの特徴はアップルやAdobe、Avidだけでなく、オートデスクやクオンテルなど様々な企業がAJAと協業しています。なぜこれほど幅広いパートナー企業とコラボレーションが可能なのでしょうか?
ラッシュビー氏:自社製品のことももちろんですが、パートナー企業向けにその製品に合わせて、開発や協力、提携をしています。パートナー企業のサポート体制も整っています。その結果、多くの協業という形で実を結んでいるのかと思います。
――IOデバイスの製品に関しては多くの他社競合している部分もあります。AJAの製品は高い安定度で定評がありますが、他社とAJA製品を比較したときの強みを教えてください。
ラッシュビー氏:よりお客様の要望に合わせた製品作りをしています。例えば、HDR対応、IPビデオ対応などで、独自性のある製品をご提供しています。
――InterBEE2017でのAJAブースのトピックもHDRだと思いますが、そのHDRソリューションの独自性や特徴は何でしょうか?
ラッシュビー氏:業界でも定評のあるColorfrontテクノロジーでHDRを完全再現している部分が大きなアドバンテージではないでしょうか。またリアルタイムでHDRモニタリングが可能な部分も現場では非常に重宝されると思います。この部分に関しては他社が追従できないワークフローがすでに用意されています。
また、そこで培ったHDRの技術をほかのレンジの製品にどんどんと取り込んでいます。たとえば、デスクトップのIo 4K PlusでHDR 10やHLGに対応し、Ki Pro Ultra Plusにもその機能を搭載しています。新しい技術を搭載した新製品をリリースしたら、他の製品にも取り入れるところがAJAのユニークなところではないかと思います。
パートナー向けですが、KONA 4、Io 4K、Io 4K Plusに対応したHDR 10+のサポートを公開しています。「Hi5-4K-Plus」ではHDMI v2.0a/CTA-861.3に合致したHDRメタデータの生成をサポートします。
――InterBEE2017のAJAブースにプロダクションカメラの「CION」は展示されていません。なぜ展示をしていないのでしょうか?
ラッシュビー氏:ラインナップはしていますが、今年はCIONにはフォーカスしていません。ほかの製品をプッシュしていきたいので今回は展示を見送りました。もちろんCIONは販売中の製品ですので、購入いただけます。今後、CIONのようなプロダクションカメラの開発は考えていませんが、別のアプローチのカメラの新製品はあるかもしれません。
――8K、HDRやIPベースなどの新しい技術へのニーズが高まっています。今後、AJAはどこにフォーカスして行こうと考えていますか?
ラッシュビー氏:基本的に現在注力しているラインナップやレンジから大きく離れることはありません。HDRや4K以上の解像度、IPなどさらに力を入れていく予定です。
8Kの場合、例えば開発者向けの組込用製品マルチチャンネルI/Oを提供する「Corvid 88」があります。それを2枚使うことにより8Kに対応可能です。すでにそのような製品展示をしているパートナーさんもたくさんいます。つまりAJAはすでに8K対応していると言っても過言ではありません。現在のラインアップでは8K対応した製品はまだありませんが、他社と協業で8Kのソリューションをすでに実現しているのです。