© 2017Twentieth Century Fox Film Corporation

Blackmagic Designの発表によると、映画「オリエント急行殺人事件」のオンセットでのデイリーや最終的なグレーディングなどのカラーワークフローに、DaVinci Resolve Studioが使用されているという。同作はアガサ・クリスティの同名の古典ミステリーをケネス・ブラナー氏が映画化したもの。

同作のDIワークフローは、Goldcrest Post Londonと、映画/デジタルデイリーを専門とするDigital Orchardにより共同で開発、運用された。撮影監督を務めたハリス・ザンバーラウコス氏は、Goldcrestと協力して同作のカラーサイエンスとLUTを作成し、デイリーワークフローに組み込んだ。

Goldcrest Postのシニアカラリスト、ロブ・ピッツィ氏は次のようにコメントしている。

ピッツィ氏:苦労の末、リアルなフィルムルックを実現できるLUTを作成しました。温かみのあるホワイトポイントを指定したことで、スキャンしたネガのオリジナルの色とコントラストを維持できました。同作の雰囲気は驚くほどリッチで色が際立っていたので、何も差し引きたくなかったんです。

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「オリエント急行殺人事件」のデイリーグレーディングを担当したのは、サム・スポルジョン氏。同氏が請け負ったデイリーカラーワークフローには、VFXと互換性を持たせるためのCDLによるシンプルなカラーワークフロー、そしてシーンごとに撮影監督が望むルックを反映する基本のグレードをピッツィ氏が読み込めるようにするためのフレームワークが含まれる。

スポルジョン氏:私たちはGoldcrestと緊密に協力して同作のLUTを作成したのですが、これらのLUTがデイリーカラーワークフローのベースとなりました。まずDCI-P3カラースペースを使用してデイリーのグレーディングを行い、調整済みのDCI準拠のプロジェクターで確認した後、同じLUTのRec709バージョンでメディアをレンダリングしました。

「オリエント急行殺人事件」は、デジタルとフィルムのフォーマットで撮影されたため、カラム・ジュスト氏が監修したデイリーワークフローはこの両方に対応する必要があったという。

スポルジョン氏:65mmフィルムを10-bitのDPXシーケンスでスキャンしました。1ロールの平均は100~300GBです。1日で10~20の現像ロールを処理しました。

スキャンしたフィルムは、DaVinci Resolve Studioを使ってグレーディング/トランスコードされた。

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スポルジョン氏:色値、現像ロール、カメラロール、キーコード、タイムコードなどの情報は、コンフォームの際に不可欠です。そして全ワークフローを通じてこれらの情報を共有することが非常に重要です。DaVinci Resolveは、キーとなるメタデータや、その他必要な情報を簡単に追加できます。これらはすべて、編集と2度目のスキャンコンフォームで共有されます。

フィルムの問題は、特定のカラーチャンネルに現れます。DaVinci Resolveでは、これらのカラーチャンネルを分離させ、白黒で確認して分析できます。

Blackmagic Designは、ハリウッドの制作現場におけるデイリーグレーディング用のツールセット、編集およびポストプロダクションのワークフロー、そしてより高度なカラーワークフローを提供しています。2011年以降、DaVinci Resolveは私たちのワークフローの要となっています。充実した機能により、デジタル、フィルムベースのどちらのワークフローにも対応可能で、最大限の効果が得られることが分かりました。

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Goldcrest Postのシネイド・クローニン氏がDaVinci Resolveでオンライン編集を行い、Dolby Vision劇場用グレーディングなど、最終的なDIはピッツィ氏が手掛けた。