キヤノンは、CINEMA EOS SYSTEMの新製品として「EOS C700 FF(EFマウントモデル)」「EOS C700 FF PL(PLマウントモデル)」を2018年7月中旬より発売する(受注品扱い)。希望小売価格はオープン、市場想定価格はEOS C700 FF/C700 FF PLともに税別363万円前後。
新開発のデジタルシネマカメラ用フルサイズCMOSセンサー
EOS C700 FF/C700 FF PLは、EOS C700の基本性能やモジュールデザインを継承しつつ、新開発のフルサイズセンサーを搭載したデジタルシネマカメラ。デジタルシネマカメラ用に新開発された38.1×20.1mmのフルサイズセンサーと、映像処理プラットフォーム「トリプル DIGIC DV 5」を搭載しており、オーバーサンプリングによる4K/60P映像の本体内記録が可能。フルサイズセンサーから得られる最大5.9K(5952×3140画素)の映像情報を有効活用することで、低ノイズと、15ストップを超える階調性やITU-R BT.2020を上回る広い色域を実現。また、「デュアルピクセルCMOS AF」により、高い合焦精度が求められる撮影時でも、撮影スタイルに合わせて高精度なピント調整をすることができるとしている。EOS C700/C700 GS PLユーザーは、フルサイズセンサーに交換可能(有償)。
アナモフィックレンズに対応し、フルHD有機EL電子ビューファインダー「EVF-V70(別売)」やMON.端子からの出力時に2.39:1の映画特有のアスペクト比で確認可能。70種類以上のEFレンズ・EFシネマレンズが装着可能。PLマウントのEOS C700 FF PLはユーザーのニーズに合わせて、EFマウントとPLマウントへの交換も可能(有償)。スーパー35mmより大型のフルサイズセンサーと、高い光学性能を持つレンズを組み合わせることで、より被写界深度の浅い美しいボケ味を生かした印象的な映像表現を実現するとしている。また、撮影時に記録範囲の周囲も表示し、最適な画角での撮影をサポートする「サラウンディングエリア映像出力」機能を搭載。
記録フォーマットは、従来のXF-AVCに加え、Apple ProResに対応。Codex社製のレコーダー「CDX-36150」を装着することで、最大5.9K/60PのRAW記録が可能。同社独自のLogガンマ「Canon Log 3」「Canon Log 2」「Canon Log」を搭載。その他にも、Hybrid Log-Gammaや、PQ(Perceptual Quantization)での映像出力に対応。同社の業務用4Kディスプレイ「DP-V2420/2411/1710」を用いることで、撮影現場でHDR映像が確認可能だという。
なお、EOS C700 FF/C700 FF PLは、2018年4月9日から12日(米国時間)に米国ラスベガスで開催されるNAB2018の同社ブース(セントラルホール/C4325)と、2018年5月23日から24日に東京・秋葉原にて開催される「After NAB Show 2018」にて展示予定。