キヤノンは、4K放送用カメラに対応するフィールドズームレンズ「UHD-DIGISUPER 66」を2018年8月下旬に発売する。希望小売価格はオープン、市場想定価格は税別955万円。

UHD-DIGISUPER 66は、画面の中心部から周辺部に至るまで4K放送用カメラに対応する光学性能を持ちながら、広角9mmから望遠600mmの焦点距離に対応しており、66倍ズームを実現。2倍のエクステンダーをレンズ本体内に内蔵し、コントローラーによるボタン操作で瞬時に焦点距離を18mmから1200mmに切り替えることが可能。内蔵エクステンダー使用時でも全ズーム域において、4K放送用カメラに対応する光学性能を実現。レンズのコーティング技術や鏡筒内面の反射を防ぐ設計により、ゴースト・フレアの発生を抑制。HDR/WCGに対応した抜けの良い高階調な映像表現を実現しているという。従来のHDTV放送用レンズとしても使用可能。

4K光学性能を持ち、かつ高倍率ズームが可能でありながら、幅約250.6mm×高さ255.5mm×全長610.0mmと、従来の2/3型HDTV放送用フィールドズームレンズ同等の機動性を実現。広角から望遠まで従来のHDTV放送用フィールドズームレンズと同等の安定したサーボ性能を確保し、4Kでのスポーツ中継撮影においても、安定した映像を提供するとしている。

キヤノンのHDTV放送用フィールドズームレンズとシステムが共通のため、現在HD機材で使用されているズーム/フォーカス電動駆動系のアクセサリーやサーボモジュールが引き続き使用できる。同社独自のシフト式光学防振機構を搭載しており、わずかな揺れも映像に影響を与えるシビアな4K撮影時においても揺れの少ない滑らかな映像が提供可能だとしている。風や振動によるレンズの揺れと、パン・チルト操作の識別を高速で行うことにより、パン・チルト操作時でも違和感なく、撮影者の意図に沿ったフレーミングが可能。焦点距離や被写体位置などのレンズ位置情報を、センサーで読み出しを行うことができる20pinコネクターを標準装備。実写映像とCG映像を合成するバーチャルシステムを用いたスポーツ中継や天気予報などの映像制作に有効だとしている。

なお、UHD-DIGISUPER 66は、2018年4月9日から12日(米国時間)に米国ラスベガスで開催されるNAB2018の同社ブース(セントラルホール/C4325)にて展示予定。