ソニービジネスソリューション株式会社の発表によると、株式会社NTTドコモの「5Gデモバス」に向けて、車内で5G（第5世代移動通信方式）を体感可能な仮想空間Warp Squareを中心とするシステム一式を納入したという。

5Gデモバスは、2020年の実用化を目前に5Gのプロモーションのために、ドコモが各地のイベントで5Gを体感できる車両として製作したもので、2018年4月19日より稼働を開始し、全国の5Gイベントで使用予定。ソニービジネスソリューションはドコモ5Gオープンパートナープログラムの参加企業で、同案件以外にも5Gに関する各種協業を行っている。

5Gデモバスの内観。車内投影映像例

今回提供した仮想空間Warp Squareは、ソニー社製4K超短焦点プロジェクターを4台と、13K（前面（7K）および側面（3K）のワイドスクリーンで構成しており、視聴者は仮想的に作られた繋目のない映像に囲まれることで、あたかもその場にいるかのような没入感を体験できるとしている。また、5.1chオーディオの設備も配備しており、映像音響の両面からこの特別な空間を作っている。

移動する車体へのシステム納入の際には、振動への備えとともに安全性も配慮しているという。4K超短焦点プロジェクターを使用することで、車内の限られた空間でも設置が可能で、超短焦点の特長を生かしたプリズムスクリーン採用により、光吸収層で外光や隣スクリーンからの映り込みが軽減でき、視野角も広く、コントラストの良い映像を表示可能。これらを活用し、複数の4Kカメラによって、ライブ映像を投影することで光学迷彩技術への要望に応えたとしている。

株式会社NTTドコモ 5G推進室 室長 中村武宏氏は次のようにコメントしている。

中村氏：今回のプロジェクトは、2020年に5G商用開始をめざす中で、より多くの皆さまに5G時代の世界を手軽に体験していただくためにスタートしました。ソニービジネスソリューション様の提案により、大型トラックという限られた空間の中に、高画質・高精細な映像システムと5.1CHの音響システムを組み合わせることで没入感のある空間を実現することができました。本年4月より運用を開始しています。

トラックという機動性から、国内各地で 本5Gデモバスに対する期待は高く、その期待に応えられるよう更改して行く必要があります。引き続き、更なる改善の実現方法や運用面等の最適なサポートを期待しています。