Blackmagic Designの発表によると、レスパスビジョン株式会社が男性アイドルグループNEWSのコンサートの収録に、HyperDeck Studio Pro、Smart Videohubのルーターを使用したという。さいたまスーパーアリーナで開催されたコンサートで、Blackmagic Designの収録機器およびルーティング製品が使用された。

レスパスビジョンは、映画、TVコマーシャルやミュージックビデオを多く手掛けるポストプロダクション。近年ではポストプロダクション業務以外にも、映画製作やライブ収録事業など、幅広いサービスを提供している。

同社は、ジャニーズ事務所のNEWSのコンサートの収録を担当した。会場では、VTR車に収録用の機材がセットされた。会場内のカメラから送られてくる映像は中継車を介してVTR車に送られ、VTR車では全カメラの回線の記録と監視を行った。今回行われたNEWSのコンサートでは収録カメラ39台、送出カメラ11台、収録スイッチングなどの51回線と予備回線が、中継車を介してVTR車に送られ、これら映像を収録する仕事を担った。

Technical Manager 薦田竜治

今回、71台のHyperDeck Studio Proが使用された。1ラックにHyperDeck Studio Proが10台とSmart Videohub 16×16が1台で構成された。HyperDeck Studio Proの10台の内、5台は収録を行い、残り5台はバックアップ収録を行った。そして、Smart Videohub16×16で、ラック内のルーティングを行った。さらに、Smart Videohub16×16の出力を、Smart Videohub 40×40に入力し、マルチビューへの出力とメインモニターへのルーティングとして使用された。レスパスビジョン株式会社のテクニカルマネージャー 薦田竜治氏は次のようにコメントしている。

もともと、ポストプロダクション業務のひとつとしてコンサート映像を手がけていました。ただ、そういったコンサートの収録素材として持ち込まれるものはカラーコレクションに向かない素材が多く、色をいじるとノイズがのってしまうため、そのノイズを消すために作業が増えてしまいました。そこで、もっとクオリティのよいもので収録できないかと模索していたところ、HyperDeck Studio Proに出会ったのが導入のきっかけです。HyperDeck Studio Proは、高品質な仕上がりで収録することができます。

VTR車のシステム上、全ての回線と信号がエンベッドされたSDI1本で完結することがないため、アナログオーディオ入力、TC入力が必須です。そのため、レコーダーとして完成されているモデルとしては、HyperDeck Studio Pro以外に選択肢はありませんでした。

HyperDeckシリーズのメリットはやはり市販のSSDが使用出来る点です。専用メディアを使用するレコーダーは高額となるため、台数が必要とされるライブ収録では、コストがかかります。SSDは単価も安く、量販店ですぐに購入できますし、絶対になくなる事がないといったメリットがあります。HyperDeck Studio Proは今回のような、ライブやイベント等の収録もしくは再生に適していると感じます。Blackmagic Design製品は高品質なクオリティーを手に入れることができるだけでなく、費用の面でも入手しやすく、まとまった数を導入することができ非常に満足しています。