© 「噂の女」製作委員会

Blackmagic Designの発表によると、BSジャパンの連続ドラマ「噂の女」のカラーグレーディングにDaVinci Resolve StudioおよびDaVinci Resolve Mini Panelが使用されたという。

同作は、人気作家・奥田英朗の小説「噂の女」が原作となっており、足立梨花、中村俊介、田山涼成などの俳優陣が出演している。今回、同作の音声収録、編集、MA、カラーグレーディングは株式会社ブルが担当した。同社は、主に、音声、MA、編集を行う技術会社で、TBSやテレビ朝日などのドラマ作品を手がけており、ドラマ以外にも、スポーツ中継や映画と幅広く行っている。

© 「噂の女」製作委員会

第4話から最終回の第10話のカラーグレーディングにDaVinci Resolve Studioが使用され、同社の4Kオンライン編集室に設置されたDaVinci Resolve Mini Panelも合わせて使用された。全てのカラーグレーディングを担当した、ポストプロダクション技術部 編集課 鈴木健太氏は次のようにコメントしている。

鈴木氏:今回、初めてDaVinci Resolveを使用しました。私が、一番初めに感動した機能は、トラッカーの機能です。部分的にカラーグレーディングしたいところにマスクを当て、ピンポイントでトラッキングしてくれるDaVinci Resolveのトラッカー機能は非常に優れています。人物の肌のトーンや、空の色味を調整することが、多々あるのですが、このトラッカー機能は、とても活躍してくれました。外での撮影が多く、カットによって空の色が変わってしまっていることもありましたが、カラーグレーディングで、統一性を持たせることができました。また、主人公の謎の女を演じる、足立梨花のあやしげなシーンでは、全体的にトーンを暗くしつつも、足立梨花の肌のスキントーンは暗くなり過ぎないように意識して絵作りをしました。

© 「噂の女」製作委員会

鈴木氏:今回、DaVinci Resolveと合わせてDaVinci Resolve Mini Panelも使用しました。今まで、マウスで作業していた私にとって、直感的に作業できるDaVinci Resolve Mini Panelに、とても感動しました。マウスではできない、微調整も簡単にできてしまいます。直感的にカラーグレーディングすることができるので、作業効率も上がり時間短縮にも繋がりました。感覚的に作業ができるのは素晴らしいです。

©︎「噂の女」製作委員会

同作は4人の監督が手がけており、話数ごとにそれぞれの監督の個性がありつつも、フィルムルックに統一して仕上げたという。ポストプロダクション技術部 システム技術課 伊辺明大氏は次のようにコメントしている。

伊辺氏:配信用と放送用のフォーマットが異なるため、それぞれのフォーマットで納品をしなくはいけませんでした。オフライン編集、オンライン編集、MAの全てを1週間で1話を仕上げなくてはいけなく、2ヶ月間とてもタイトなスケジュールでした。そのような中で、カラーグレーディングの部分を時間短縮できたのは、大きなメリットです。今回、初めてDaVinci Resolveを使用しましたが、とてもいい実績となりました。