Blackmagic Designの発表によると、ATEM 2 M/E Broadcast Studio 4K、Teranex Mini、Mini Converterが、JR新宿ミライナタワー内のセイコーエプソン株式会社本店およびエプソン販売株式会社本社のオフィスエントランスの360°の映像による空間演出実現に採用されたという。
4K12Gがベースとなっている同システムには、Blackmagic Designワークフローと29台のエプソンのプロジェクターが含まれている。エプソン販売は、国内におけるエプソンブランド商品の販売を行なっており、今回導入を行った販売推進本部 VP MD部は、映像による驚きと感動をお客様に提供すべく、エプソンブランドのプロジェクターの商品企画を行っているという。
360°のプロジェクションマッピングには、センサーを用いた、インタラクティブな遊び要素も取り入れている。エレベーターホールおよびショールームには、エプソン社員と打ち合わせがある方やエプソン製品のショールームを見に来たお客様などが訪れる。近年ではプロジェクターで空間演出をする需要が増えており、お客様に最新のプロジェクターによる空間演出を体験していただける場所を作りたいということで、会社の顔となるエレベーターホールおよびショールームに常設することになった。世界各国のエプソンオリジナルキャラクターを29台のプロジェクターを使用して投影し、“世界に通じるエプソン”を表現しているという。
今回のシステムには、Teranex Mini HDMI to SDI 12Gが19台、Micro Converter SDI to HDMIが29台使用された。サイネージプレイヤーより4K HDMI出力をTeranex Mini HDMI to SDI 12Gで12G-SDIへ変換し、ATEM 2 M/E Broadcast Studio 4Kで映像をクロマキーにて4レイヤー分の合成をしている。そして12G-SDIのアウトをTeranex Mini 12G-SDI to Quad SDIを使用し3G-SDIx4へ分割、さらにMicro Converter SDI to HDMIで変換後、同社のLANケーブルで最大100mの映像転送が可能な機器へ入力をして各プロジェクターへ送出している。
エプソン販売株式会社の販売推進本部 VP MD部部長 蟹澤啓明氏は次のようにコメントしている。
映像システムとしては、インタラクティブをクロマキーで抜いて、レイヤーを重ねていく方向に決定していました。4Kのクロマキー抜きが可能な機材を探している中で、ATEM 2 M/E Broadcast Studio 4Kに辿りつきました。
ATEM 2 M/E Broadcast Studio 4Kは、値段だけでなく、機能面でも、今回のプロジェクトに最適な製品でした。1台で4Kのバックグラウンドに対して4つの4Kクロマキーレイヤーを重ねることができたり、クロマキー抜きの色もこちらの指定の色に深く調整できたりと、必要な機能が揃っていました。映像コンテンツに沢山のレイヤーを持たせることで、立体感や再現性を工夫しています。このようなコンテンツの再生にATEM 2 M/E Broadcast Studio 4Kはぴったりなものでした。
大きな建造物へのプロジェクションマッピングでは、解像度が多少荒くても問題はないと思いますが、今回のような小スペースでのプロジェクションマッピングには、解像度が高く、綺麗な映像を実現する必要がありました。お客様が数センチの距離まで近づいて見ることができる空間のため、映像のクオリティや色の再現性、再生するコンテンツにはこだわりがありました。
長時間にわたり再生をしているので機材に負荷がかかると思うのですが、Blackmagic Designの製品は一度も不具合などのトラブルもなく運用できています。エレベーターホールやショールームは、お客様をお迎えするエプソンの顔となる大切な場所です。お客様も多くいらっしゃる中で、不具合などが万が一発生した場合には、ブランドイメージを低下させることに直結してしまいますが、安定した運用ができているBlackmagic Designの製品は非常に信頼がおけます。