Loupedeckは10月31日、都内ホテルにて、写真と映像編集のコンソール「Loupedeck+」に関する発表会を開催した。Loupedeck+は発売を開始しており、価格はAmazonで税込34,000円。
最初に、Loupedeckマーケティング担当責任者で共同設立者のFelix hartwigsen氏が会社の成り立ちから紹介した。Loupedeck社は、CEOのMikko Kesti氏がアドビのLightroomのワークフローを改善するために2016年に設立。ノキアの元デベロッパーの人たちとグループを作り、プロトタイプ版を完成。2016年11月に7万5000ユーロを目標としてクラウドファンディングキャンペーンを4週間行ったところ、目標の約5倍となる36万6000ユーロを達成した。
2017年6月にはLightroomの業効率向上に特化した第一世代のLoupedeckを販売開始し、1年間で約2万台のLoupedeckが販売されたという。
Loupedeckマーケティング担当責任者、共同設立者のFelix hartwigsen氏
今回発表された「Loupedeck+」は、第一世代のフィードバックから実現したもので、アドビのLightroom、Lightroom Classic、Premiere Pro、写真編集ソフトウェアのSkylum Aurora HDRなどへの対応をを特徴としており、「さらなる写真やビデオ編集ソフトウェアへの対応していく予定」とのこと。また、ビルド品質の改善も特徴としている。
Loupedeck+へのアップグレードの具体的な内容は以下の通り。
- より精度が高く丈夫なメカニカルキー
- 製造品質の改善
- 2つのカスタマイズ可能な専用ダイヤルと17個のボタン
- すべてのダイヤルをユーザー制御できる「カスタムモード」
- 写真編集作業における改善、高速化、安定性向上を目的に新たに開発されたコンフィギュレーションソフトウェア
Loupedeck+には、次の新しい映像編集機能を装備している。
- よりスピーディかつ直感的に行えるビデオ編集およびカラー補正。カラーグレーディング用のすべての基本ツールは、コンソールに分かりやすくラベル表示
- Premiere Pro CCに対する完全な柔軟性を備え、編集者はワークフローに合わせて独自の設定が可能
- 編集者個人のLoupedeckコンフィギュレーション設定をエクスポート/インポートして他のコンピュータに簡単に移植できる機能
- カラーグレーディング用Lumetri Colorワークスペースとの互換性
- 大幅な時間節約に役立つ、好みのLUTを切り替える機能
- 柔軟性のあるタイムラインナビゲーション、コンテンツトリミングおよびクリップ調整
- Adobe Premiereショートカットを希望に合わせてコンソールボタンのカスタマイズができるオプション、またはプリインストールされた機能を使用するオプション
また、映像作家・監督の田所貴司氏、およびプロカメラマンの内田尚子氏による新製品を使ったトークセッションも行われた。
プロカメラマンの内田尚子氏(左)と映像作家・監督の田所貴司氏(右)
田所氏:Loupedeck+をPremiere Proで使いましたが、最初の印象はとても入りやすかったです。初めてつなげてすぐに使えたというのが最初でした。慣れるまで時間がかかるかなと思いましたが、そのままその日のうちに仕事に使えました。
普段Premiere Proは、基本両手でキーボード、片手でマウスがベースなのですが、Loupedeck+を使うとキーボードで触っていた作業のほとんどが片手で済むようになります。左手のLoupedeck+、右手のマウスは離さなくて済むようにりました。この部分では実際作業スピードが上がったのが最初の実感でした。
内田氏:最初の印象で驚いたのは、作業をしていくにつれて画面を観ながら画面から目を離さずに作業ができるというところです。また、Loupedeck+を使うと、初期設定の値に戻すという作業でもできます。写真を撮った時に感じたものを残しながら、編集を進められるというのがポイントでした。
デモブースでは、Premiere ProとLoupedeck+を組み合わせが体験できるようになっていた。Loupedeck+を使うことによってエディットのタイムラインを移動できたり、片手で縮小拡大が可能になる。また、同じインターフェイス中で、カラーグレーディングも同時に可能になる。つまり、エディディングの効率とカラーグレーディングの直観的に作業ができるようになるわけだ。
これまでは、Premiere Proのカラーグレーディングは、プロダウンメニューから探していって自分の使うパラメーターを探す感じだったが、Loupedeck+を使えばパラメーターはすべて自分の手元に直観的にある存在となり、設定したい機能を直観的に設定できるようになる。エディットとカラーグレーディングが同時にできることで作業スピードの向上が実現できそうだ。