昨年、ワイヤレスマイクシステムの新たなシリーズとしてAXT Digitalを発表。このシリーズには小型軽量な送信機ADX1Mが含まれており、今回のInterBEEでもAXT Digitalシリーズを大きく取り上げデモンストレーションを行っていた。その他にもワイヤレスパーソナルモニターシステムPSM 1000/PSM 900やAV会議オーディオソリューションMicroflex Advanceなどを出展した。

AXT Digitalシリーズはデジタル機にありがちな遅延を最小限に抑えたほか、原音に忠実な周波数レスポンスと広いダイナミックレンジを達成しており、長年マイクロホンを世に送り出し世界的に評価されているこうした技術やノウハウと最新のデジタル技術や高周波技術との融合によって生まれたものといえる。さらに、放送や音楽業界などで使用されてきた実績に裏打ちされた運用性や信頼性、システムの展開などもあり、注目の製品だ。

Microflex Advanceは2011年にAVコミュニケーションのソリューションを提供する世界有数の企業であるInformationsteknikを買収したことから、近年Shureが力を入れている分野である。ブースの一角に会議室をしつらえ実際の会議室と同様な環境を作ってMicroflex Advanceをアッピールしていた。

ブース中央にAXT Digitalシリーズを大きく取り上げたコーナーを設置。ShowLinkリモートコントロール、Shure Wireless Workbenchソフトウェア、ShurePlus Channelsアプリ、ネットワーク・バッテリー・モニタリングにより、シームレスなワイヤレス運用に必要な優れた操作性と情報把握を可能にしている。用途に合わせたシステム構成、多様な外部デバイスとの接続性、統合的なコントロールにより、現代のワイヤレス環境における多くの課題に対処

ADX1Mマイクロボディパックは小型軽量なだけでなく、セルフチューニングアンテナを搭載しており、効率的な送信を行うとともに身体に装着した状態でもデットゾーンを最小限にすることにも貢献している。また、他のAXT Digitalシリーズ送信機と同様にShowLinkに対応しており、すべての送信機パラメーターのリアルタイムコントロールに加え、自動的な干渉検出・回避を実現している

AXT DigitalシリーズはADシリーズ送信機とADXシリーズ送信機と共通のAXT Digital受信機プラットフォームに対応しているほか、High Densityモードにより同時に運用可能なチャンネル数を大幅に増加することが可能。写真は上からAXT DigitalスペクトラムマネージャーAXT600J、AXT Digital2チャンネルデジタル受信機AD4DJ、AXT Digital4チャンネルデジタル受信機AD4QJ、ラックマウント型充電ステーションSBRC-J-P

新製品として出展されていたドーム型ヘリカル指向性アンテナHA-8091。従来のホイップアンテナなどよりも帯域幅、運用距離、信頼性、柔軟性の点で優れており、ドロップアウトの可能性が大幅に低減されているほか、高いゲインにより可能な限り信号強度を高める事が可能。ヘリカルアンテナは単一の偏波で信号を送受信するホイップアンテナなどの従来のアンテナとは異なり、放射するRFフィールドが円運動するため、あらゆる偏波によって信号が送信され、ドロップアウトの原因となりやすい偏波変動を最小限にすることが可能

2ベイネットワークドッキング充電ステーションSBC220。2台のSB900A充電池またはULXD1/QLXD1/AD1/ULXD2/QLXD2/AD2などボディーパック型やハンドヘルド型の送信機の対応。ワイヤレス送信機を任意に組み合わせてドッキング充電および保管が行える。また、ネットワークに接続することで、各送信機の充電状態を離れた場所から確認することも可能。さらに、4台までのSBC220ユニットをリンクして電源およびネットワーク接続を共有可能

新製品のインイヤーモニターPSM 1000/PSM 900のためのダイバーシティボディーパック型受信機 P10R+、ステレオボディーパック型受信機P9RA+、高遮音性カナル型イヤホンSE215-CL-IFB、アンテナコンバイナーPA821B

AV会議オーディオソリューションMicroflex Advance。優れたノイズリダクション機能を持つDSP製品P300などを、会議室を模したデモルームにおいて実際の使用状況に近い環境で体験できるコーナーをブース内に設置

AV会議オーディオソリューションMicroflex Advance。設備市場向け製品としてのAV会議オーディオソリューションMicroflex Advanceはシンプルかつコンパクトでありながら優れたノイズリダクション機能を持っており、大規模な国際会議などにも最適なMicroflex Complete/Microflex Complete Wirelessなど各種ワイヤレスシステムのラインアップを出展。シーリングアレイマイクロホンMXA910やテーブルアレイマイクロホンMXA310などを使って実際のその効果を体験できるデモコーナ

AV会議オーディオソリューションMicroflex Advanceはブラウザベースのユーザーインタフェースで視覚的な設定が可能。アレイマイクをひとつ、もしくは複数使用することにより、あらゆる会議室のサイズやスタイルなどに対応可能。発言者の人数やマイクの指向特性などの設定やプリセットなどが簡単にできる