ATOMOSのポータブルモニター/レコーダーは、映像業界では知らない人はいないといっていいほど定番の周辺機器だ。その中でも特にデジタルミラーレスカメラのセンサー出力を最大4K60p 10bit HDRで記録可能なデジタルスチルカメラ向けの「Ninja V」が話題だ。2018年11月の幕張メッセで行われたInterBEE2018会場でATOMOSのCEO ジェロミー・ヤング氏にNinja Vの魅力を聞くことができたので紹介しよう。
――ひさびさの来日ですか?
日本には毎月来ていますよ(笑)。実は一部の開発を日本で行っています。
――最近、ATOMOSのアップデートにはどのようなものがありますか?
Ninja V(ファイブ)ですね。
――商品の読み方はNinja V(ブイ)かと思ったら、ファイブなのですね。
ファイブが正解なのですが、どちらでもかまいません。アップルはiPhone X(エックス)ですよね。それでいくと、Ninja V(ファイブ)はおかしい。でもファイブには、5インチ(ファイブインチ)という意味も込められています。
ここ最近は、富士フイルムのX-T3、Nikon初のフルサイズミラーレスZシリーズ、キヤノンのEOS Rなど、Ninja Vと相性のいいミラーレスカメラが多数発売されました。
ProRes 4:2:2 4KのHDMI出力に対応しているカメラとNinja Vを組み合わせて使うことで素晴らしいパフォーマンスを発揮します。クオリティの高いミラーレスカメラと高性能なレンズを使って、ProResの収録が可能になります。そのため、Ninja Vは非常に好評です。
――NDI対応などのアクセサリーが用意されているのには驚きました。
私達は、サードパーティが周辺機器を供給する規格「AtomX」を作成しました。AtomXの拡張ポートは、PCI Express Gen3をサポートする高速データインターフェースです。
そこに対応する最初のアダプターとして、「AtomX Ethernet/NDI」モジュールをラインナップしています。エンコード、デコード、制御、同期を備えたNDI入出力を備えており、ユーザーは任意のNDIソースからNDIを送信、配信、受信、監視ができます。
もう1つがワイヤレスタイムコードと同期、Bluetooth制御をNinja Vで実現する「AtomX SYNC」です。スマートフォンアプリのBluetoothを使用した追加の同期機能もあります。ミラーレスなどの安いビデオカメラを大型センサーの民生用カメラや従来のライブプロダクションに統合できるようになります。
AtomX Ethernet/NDIモジュール
――バッテリーをスタック接続できるアイデアは面白いと思いました。
このアイデアは、以前発売していたバッテリー駆動HDMI/SDIコンバーター「Connect S2H」と同じものです。AtomX対応の商品としては、AtomX SYNC、AtomX Ethernet/NDIとラインナップしてきまして、その後はアイデアをください(笑)。
――それはユーザーのフィードバックを元に新しいものを開発していくということでしょうか?
そうですね。次のモジュールはなにがほしいですか?例えば、Fibreとか、3G-SDIが4つとか。
――ワイヤレス関係がほしいですね。
でしょう?フィードバックをお願いします(笑)。
――あと気になるのがAtomX対応のSSDminiドライブのソニーのロゴマークがメディアに入っています。ATOMOSの周辺機器はソニーからも発売されているということですか?
AtomX対応のSSDminiドライブには、ソニーストレージメディアやAngelbirdから発売されています。ソニーとエンジェルバードは500GBで200ドルぐらいです。500GBのほかに1TBや2TBもあります。今後は4TBも発売するかもしれません。お勧めは1TBで、1台のドライブで2時間の収録は可能です。
また、編集のパフォーマンスも優れています。プロダクションの工程を短時間にすることもできます。