「OLYMPUS OM-D E-M1X」+「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」

オリンパス株式会社は、マイクロフォーサーズシステム規格準拠のミラーレス一眼カメラ「OLYMPUS OM-D E-M1X」を2019年2月22日に発売する。希望小売価格はオープン、市場想定価格は税別340,000円前後。

OLYMPUS OM-D E-M1Xは、縦位置グリップ一体構造とすることで、安定したホールディング性や、ボタンやレバーの配置や形状、高さを一新し、よりファインダー撮影に集中することができる操作性を実現。ファインダーを覗きながら素早くフォーカスエリアを移動させることができるマルチセレクターを縦位置、横位置それぞれに配置している。また「C-LOCK」レバーを新たに設け、縦位置操作部をロックするだけでなく、選択した操作部のみをロックすることも可能。

ビューファインダーは光学系を新設計し、ファインダー倍率0.83倍(35mm判換算)を実現。非球面レンズや屈折率の高いガラスを使った4枚構成により、歪がなく四隅までクリアに表示するとしている。同社の「OM-D E-M1 Mark II」同様、フレームレート120fps(プログレッシブ方式)、0.005秒の表示タイムラグを実現し、動く被写体もストレスなく捉える。

防滴試験イメージ

OM-D E-M1XではIPX1よりも厳しい基準の社内防滴試験を実施し、過酷な環境でも撮影できるように開発されている。リモートケーブルやマイク、ヘッドホン端子にケーブルが接続された状態でも防塵・防滴・耐低温(-10℃)を実現。また30,000回/秒以上振動させてゴミやホコリを除去するSSWF(スーパーソニックウェーブフィルター)に新コーティングを採用し、従来に比べてゴミやホコリが写真に映り込む可能性を1/10に低減している。炎天下での動画撮影や連写撮影といった高負荷時の温度上昇による機能制限を抑制する放熱構造、シャッターライフ40万回など、堅牢性と信頼性を実現している。

バッテリー装てんイメージ

OM-D E-M1 Mark IIから採用されたリチウムイオンバッテリー「BLH-1」を2つ挿入できるカートリッジタイプの装てんシステムを搭載。撮影可能枚数は約870枚。一脚や三脚をつけたままでもバッテリー交換が容易。また、USB PD(パワーデリバリー)規格に対応しており、最大100WのUSB PD規格の電源からの給電が可能となり、ボディー内に装てんした2個の「BLH-1」を最速約2時間で充電可能。

AFマルチセレクター

OM-D E-M1Xには、ファインダーを覗いたままAFエリアを移動できるAFマルチセレクターを縦位置・横位置それぞれに搭載。121点オールクロス像面位相差AFセンサーも採用。AF低輝度限界はF1.2レンズ装着時において-6.0EV(ISO100相当)を実現し、暗いシーンや低コントラストの被写体も高精度にフォーカシングするとしている。

また、縦位置/横位置撮影それぞれでAFターゲットモードやAFエリア位置を設定できることや、C-AF中にフォーカスリングを回すことで即座にMF切り替えができるC-AF+MFなど、ユーザーのニーズに応じた様々なAF設定が可能。AFターゲットモードは新たに25点グループターゲットに対応し、AFエリアも自由に配置できるカスタムAFターゲットモードも搭載している。

2037万のフル画素、RAW記録での60コマ/秒の連写を実現。最高約60コマ/秒の高速連写により、肉眼では捉えることのできない一瞬を高精細に捉えるとしている。また、60コマ/秒の連写、AF/AEが追従しての最高約18コマ/秒の高速連写はどちらも静音での撮影となり、シャッター音を出したくない演奏会や、被写体の集中を妨げたくないスポーツなどに適している。

シャッターレリーズ時から最大35コマ分さかのぼって記録できる「プロキャプチャーモード」は、撮影時にブラックアウト(像消失)がなく、フル画素となる20Mの高画素で記録、さらにRAWモードでの撮影に対応。

画像処理エンジン「TruePic VIII」を2基搭載。起動時間やスリープ復帰時間の短縮、2つあるSDカードスロットはいずれも高速のUHS-IIに対応する。カメラの高速化への貢献だけでなく、「手持ちハイレゾショット」、「ライブND」、「インテリジェント被写体認識AF」といった撮影機能を実現している。

最高80Mの高解像画像を撮影できる「三脚ハイレゾショット」に加え、風景写真家から特に要望の多かった「手持ちハイレゾショット」を新搭載。高解像画像を手持ちで撮影できるため、移動の多い山岳風景や三脚が使えない場所での高精細撮影に特に有効だとしている。

NDフィルターを使用したようなスローシャッター効果を使った表現が可能な「ライブND」を搭載。露光した複数の画像を合成することでスローシャッター効果を得ることができる。また、撮影前にライブビューによりスローシャッター効果をファインダーで確認可能。効果はND2(シャッター速度1段分相当)、ND4(同2段)、ND8(同3段)、ND16(同4段)、ND32(同5段)の5段階から選択できる。

AIの一種であるディープラーニングテクノロジーを利用して開発したアルゴリズムを新たに搭載。モータースポーツ、航空機、鉄道の3つのジャンルの被写体を検出し、最適なポイントにフォーカスし、追尾する。

「5軸シンクロ手ぶれ補正」イメージ

新開発のジャイロセンサーを搭載することで、ボディー単体で最高約7.0段分、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」との組み合わせでは世界最高約7.5段分となる「5軸シンクロ手ぶれ補正」を実現。

その他の特長として、カメラ内にはGPSセンサー、温度計、気圧センサー、コンパスといったフィールドセンサーを内蔵しており、緯度・経度の位置情報をはじめ、温度、標高、方位をカメラが検出、記録可能。また、蛍光灯に代表される人工光の明滅周期をカメラが検出し、明るさのピークに合わせてシャッターを切るよう制御、連写コマ間の露出ムラ、色ムラを抑える「フリッカーレス撮影」を搭載。また、静音モード(電子シャッター)使用時や動画撮影時に生じる縞模様現象を抑えるため、シャッター速度を細かく設定できる「フリッカースキャン」にも対応している。

強力な5軸手ぶれ補正+電子手ぶれ補正が4K、シネマ4K動画の手持ち撮影を可能にした。手ぶれ補正強度は撮影者の姿勢や動きに応じて3段階から選択可能。暗部からハイライトまで黒つぶれ、白とびすることなく撮影し、カラーグレーディングを行うことで、自由度の高い映像表現ができる「OM-Log400」撮影にも対応している。また、フルHD 120fpsのハイスピードムービーに対応。