パナソニックは2月14日、東京都内でフルサイズイメージセンサー搭載のミラーレス一眼レフカメラ「DC-S1R」「DC-S1」の新製品発表会を開催した。LUMIX Sシリーズについて、パナソニック アプライアンス社 イメージングネットワーク事業部 事業部長の山根洋介氏から詳しい説明が行われた。気になった部分を紹介していこう。

■一回のシャッターで8枚の画像を撮影、合成するハイレゾモードを搭載

新しく登場したSシリーズは、S1R、S1ともにプロの仕事や作品作りがターゲットだという。DC-S1Rはプロフォトグラファーの期待にそえる本格撮影ユースに対応したフルサイズミラーレスカメラ、DC-S1は写真に加えて動画撮影も可能にしたハイブリッドクリエイターに向けたカメラだという。

S1RとS1では、LUMIX G9 PROの絵作り思想をベースにさらに表現力を高め、フルサイズセンサーのもつ特性を生かしながら、自然なディテール表現や豊かな諧調表現にこだわったとのこと。

その表現力を支えているのが、新たに開発をしたイメージセンサーと画像処理エンジン。S1Rは 有効画素数4730万画素のCMOSセンサーを搭載し、S1は高感度、高速性能に優れており、静止画のみならず動画にも適した有効画素数2420万画素のCMOSセンサーを搭載。イメージセンサーのもつ特性を最大限に生かす画像処理エンジン「ヴィーナスエンジン」も新開発。これにより、高い表現力を実現をしているという。

さらに、Sシリーズでは表現力を広げる機能として、ハイレゾモードを搭載。高精細なボディ内手振れ補正の機構を生かして、イメージセンサーをシフトさせながら、一回のシャッターで8枚の画像を撮影し、高精度に合成して高精細画像を生成できる。

S1Rのハイレゾモードでは、1億8,700万画素の高解像度を実現し、細かなディテールまで描写を可能にしている。さらにハイレゾモードの中には、被写体ブレの残像を抑制するモードも新たに搭載することで、さまざまな場面でこの高精細画像を楽しむことができるようになっている。

■新しい写真の楽しみ方を実現するHLGフォト

業界初となるHLGフォト機能も面白い機能だ。HDRの代表的な企画である。HLG(ハイブリッドログガンマ)に基づいたHDRの静止画を生成する機能。従来のSDRに比べてダイナミックレンジが約3倍になり、ハイライトやシャドー部のディテールの再現性が大幅に向上する。HLGフォトは、HDR対応、4Kディスプレイを活用して実現する写真の新表現だという。

■フルサイズミラーレスでは業界初となる4K60P記録

Sシリーズは、フルサイズミラーレスでは業界初となる4K60P記録に対応。S1では、今後4:2:2 10bit動画記録やV-Log記録にも対応し、プロの映像制作ニーズにも答えられるようになっている。また、HDRの動画記録やスローモーション動画、8Kタイムラプス動画の制作も可能としている。

S1Rの4K60Pの「FULL」のモードで撮影。画角の幅はわずかに狭くなる

手ブレ補正に関しても充実しており、低照度で三脚が使えないポートレート撮影現場におていも安定した作品を撮影することがでるようになっている。手振れ補正は、ボディ、レンズ、双方で手振れを抑える手ブレ補正機能(Dual I.S. 2)を採用し、望遠域で6.0段もの補正性能を実現。また、コントラストAFと空間認識技術(DFDテクノロジー)を実現。低照度での検視精度もさらに高めている。

AFは、右目、左目の選択が可能な瞳認識にも対応。ディープラーニングを応用した人体認識AFを搭載し、人物に対する高いフォーカス性能を実現。さらに、動物認識にも対応し、より多くのシーンでの撮影を楽しめるようになっている。

■2020年までに3社合わせて42本以上のLマウントレンズラインナップが市場に出揃う予定

Sシリーズレンズには、「S PROレンズ」「Sレンズ」の2種類をラインナップ。独自の厳しい基準を新たに設けて開発製造されるレンズで、ライカの厳しい基準もクリアーしたものになっている。

3月23日のSシリーズのデビューと共に、3本の新しいレンズが発売する。S PROレンズは 50 mm F1.4の単焦点レンズと70-200 mm F4 の望遠レンズの2本。Sレンズは24-105 mm F4 MACROの標準ズームレンズになる。Sレンズははキットレンズとしても提供される。これらの3本のレンズに加えて、2019年度中には、24-70mm F2.8。70-200mm F2.8、そして、16-35mm F4の3本のレンズを開発していくとのことだ。

ライカ、シグマ、パナソニックで締結をしたLマウントアライアンスについても、少し紹介があった。Lマウントのレンズラインナップは、今後拡大予定で、2020年までに3社合わせて42本以上のLマウントレンズが市場に出揃う予定だという。今後のLマウントシステムに期待してほしいとのことだ。