アカデミー賞長編アニメ賞を受賞したピーター・ラムジー監督が登壇

会場には250名もの来場者が詰めかけて、大いに盛り上がっていた

6月28日夜、都内で世界的なクリエイターが集う完全招待制イベント「THU Gathering Tokyo」が開催された。THUは「Torojam Horse was Unicorn」の略。もともとTHUのメインイベントは、2013年にポルトガルのトロイアで200人の参加者を持つ小さなイベントとしてスタートし、日本語で例えるならばクリエイター合宿のようなクリエイティブコミュニティーを毎年9月に行っている。2018年はマルタで6日間、79カ国から998人の参加者が集まって行われた。

今回行われたTHU Gathering Tokyoは、マルタ島で行われるメインイベントとは別の招待制のプレイベントだ。去年は日本初開催とあって規模を凝縮した形で行われたが、今年は昨年よりも拡張した形で行われていた。

今年のTHU Gathering Tokyoのハイライトは、アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した「スパイダーマン:スパイダーバース」のピーター・ラムジー監督のスペシャルトークだ。新感覚の「動くコミック」の秘密を余すことなく公開する必見の内容だった。

「スパイダーマン:スパイダーバース」のピーター・ラムジー監督

ドローイングを披露するラムジー監督

豪華なケータリングもTHU Gathering Tokyoの特徴

交流もTHUの目玉だ。THUの参加者は、業種が多岐に渡り、映像のディレクターもいれば、アニメーター、3D/VFXの人もいる。普段はそういうクリエイティブに関係している人と会う機会は限られているが、THUは交流を楽しめる貴重な機会というのも見逃せないだろう。

2020年5月の3日間に、石川県加賀市で「THU Japan 2020」開催

開会でいきなり大きな発表もあった。THU Gathering Tokyoの司会進行を担当するポリゴン・ピクチュアズ代表の塩田周三氏は、「THU Gathering Tokyoは今年で2年目ですが、今年が最後です」との発言に、会場が「えっ」とザワつく。

続けて、「来年は、THU Japan 2020を加賀市で3日間やります」と発表して、歓声が上がった。5月20日~23日の4日間、石川県加賀市で開催することを発表した。

司会進行を担当する塩田周三氏(左)と「世界のクリエイター、芸術家の方々を歓迎したい」と挨拶をした加賀市の宮元陸市長(右)

THUは国内開催3年目で、次のステップへ上がっていく。これまでの完全招待制から、THU Japan 2020よりチケットを購入して参加できるようになることを考えているという。

ただし、THUは、ポルトガルで始まったときから情報で溢れ散る都心から距離をおいてみんなが一緒になって濃密な時間を過ごすことを特徴としていた。THU Japan 2020も規模は最大でも約300人ぐらいまでとして、コミュニティ感を維持した規模での開催を考えているとのことだ。

2020年5月20日~23日に石川県加賀市で「THU Japan 2020」が開催される