リモートプロダクションやイベント収録に最適な「V-600UHD」

ローランドは、プロから一般家庭やオフィス内まで、幅広いユーザー層のビデオミキサーやスイッチャーを展示。もっとも力を入れていたのは、今年6月末に発売されたローランド初となる4Kスイッチャー「V-600UHD」だ。

V-600UHDの特徴は、4K/HD、HDRとSDRを混在して扱える「ULTRA SCALER」の搭載だ。HDや4KのほかにPC系のフォーマットも対応し、4Kに関してはHDR、SDRの変換にも対応。4KとHD、HDRとSDRの双方向変換が可能で、HDのプロジェクターに4K/HDRのカメラ映像とPCのパワーポイントを混在させる使い方も可能だ。

ブースでは、リモートプロダクションとイベント収録システムの2パターンの展示が行われていた。リモートプロダクションは、放送局のスタジオサブから遠隔地にある中継現場の機材をコントロールして番組制作を行う方法で、V-600UHDと池上通信機製の多重光伝送装置「iHTRシリーズ」を組み合わせて展示。

例えば、スタジアムでサッカー中継を行う場合、放送局から中継車などを出して現場で機材を組んでいたものを、リモートプロダクションの実現により、現場に持っていく機材をラック程度の最小限に抑えられる。あとは放送局に伝送器で光で飛ばして、遠隔操作でカメラをスイッチングしたり、音声のコントロールが可能。

音声も映像も一人で扱えるAVミキサー「VR-50HD MK II」

今年9月に発売したVRシリーズのフラッグシップモデル「VR-50HD MK II」も大々的に展示。VR-50HDはAVミキサーのベストセラーモデルと言われるほど人気モデルだったが、そのユーザーの現場の声が反映された後継モデルとなる。

VR-50HD MK IIの特徴は、音声のミキサーと映像のスイッチャーが一緒になっている点で、これまではスイッチャーと音声自体を別々で行っていたものを、音声も映像も一人で扱える配信系の機材となっている。

また、VR-50HD MK IIで強化された点として、PTZカメラのリモートコントロールが可能なのも目新しいところだ。パナソニックやJVCケンウッドのPTZカメラに対応しており、VR-50HD MK IIから左右、上下とカメラの向きを変えることが可能。PTZカメラとVR-50HD MK IIをLANケーブルで繋ぎ、メニューでカメラメーカーとアドレスを設定するだけで、リモートは最大6台まで登録できる。カメラマンを配置せずにスイッチャーから集中コントロールができることを紹介していた。また、本格的なデジタルミキサーが搭載されており、放送クオリティの音声の放送もできるようにも変更されている。

機能が充実したAVミキサーエントリーモデル「VR-1HD」「VR-4HD」

「VR-1HD」や「VR-4HD」は、VR-50HDの廉価版シリーズ。VR-50HDのときは、ビデオフォーマットが、SDI、HDMI、コンポジット、アナログRGBのすべてに対応していたが、そこからSDIが非対応となったモデルがVR-4HDだ。その分、価格も抑えられており、小型化を実現したことで可搬性にも優れている。

VR-1HDは、ビデオスイッチャーとオーディオミキサー、USBストリーミングの3機能が合体したVRシリーズのエントリーモデル。日常生活空間で使われることを想定してか、ボディカラーがホワイトなのは面白い。低価格帯を実現し、今まで機材をあまり触ったことがない一般ユーザーでも操作がしやすいユーザーインターフェイスを特徴としている。

小~中規模イベントや配信などに最適なビデオスイッチャー「V-60HD」

「V-60HD」は、SDI/HDMI両対応の6chビデオスイッチャー。ローランドには、「Vシリーズ」と呼ばれるビデオスイッチャー搭載モデルのV-600UHDやV-60HDがラインナップされている。また、「VR」がつく音声ミキサー搭載の「VRシリーズ」をラインナップしている。

V-60HDは、Vシリーズなのでスイッチャーのみだが、プリアンプ搭載のオーディオミキサーを搭載。こちらも配信で使われることが多いという。ブースではV-60HDも配信システムとプロダクション寄りの2パターンの展示が行われていた。ちなみに、V-60HDもPTZカメラに対応している。