アストロデザインは、さまざまな産業分野への8K応用をメインテーマに同社がこれまで培ってきた超高精細映像技術とその応用事例を披露した。また、HDMIやSDIなど、同社が創業当初から扱ってきた映像系の測定器のほか、IPやMTF測定器、4K/8Kになることで発生す津莫大な演算量に対応可能なTamazone Workstation、多様化する映像信号を相互に変換できるコンバーターや4K/8K対応カメラ、レコーダー、LCDモニターなどが出展された。
すでに4K放送がスタートし、8K放送の実験放送も進み、以前より身近になってきた高精細の映像は放送以外でも注目されており、それに答えるべくアストロデザインでは早い段階から医療分野に挑戦してきた。今回のInterBEEでもこうした分野で使用できる撮影システムが紹介されたほか、VRやマルチスペクトルで撮影可能な新たなカメラなどが提案されていた。
ブースは、8K産業利用ゾーン、8K放送ゾーン、4K/2K放送ゾーン、計測ゾーンのほか、同社が開発したプロジェクターなどが出展された8Kシアターゾーンなどで構成されており、撮影を行うカメラから撮影された映像を記録するレコーダーのほか、信号を伝送する機器や信号を変換するコンバーター、そして映像信号などを測定する測定器など4K/8K、HDRに対応した映像機器を入り口から出口までシームレスにカバーする展示を行った。
8K産業利用ゾーンでは、最新の小型8K120Hz対応カメラやTamazone Workstationの組み合わせによる8K映像解析アプリケーション、8KVRシステム、8K伝送システムなど、さまざまな産業分野における8K映像の活用方法を提案
マルチスペクトルカメラ。一般撮影で利用されるセンサーにはRGBのフィルターにより可視光を分離するがマルチスペクトルカメラは420-970nmまで16波長に分離できる特殊なフィルターを採用。目に見えない赤外に近い波長まで撮影できる
マルチスペクトルカメラで撮影された画像。センサーを16のエリアに分けてそれぞれ波長の異なるフィルターで撮影されている
小型の8Kカメラを顕微鏡に装着し、高精細の顕微鏡画像を得ることが可能
8Kカメラを採用したVRシステム。8Kの3Dパノラマ映像をNTTドコモが開発したエンコーダー/デコーダーを使ってリアルタイムで配信。8k60pの高精細画像での撮影が可能でディスプレイへの伝送に5Gを利用
8KトラッキングシステムBaseboy 8K。Qoncept社の画像解析技術Qoncept STLによるトラッキングシステムBaseboyとアストロデザインの8K撮影システムを組み合わせることで投球の軌跡などのCG合成が可能
AIスケーラー。自社開発のニューラルネットによるアップコンバートをOpenFXプラグインとしてDaVinciEesolve16実装したもので編集やコンポジションに対応可能
通常のビデオ撮影は横位置だが、カメラを縦に使うことで縦位置撮影が可能に
8KシアターコーナーではNHKエンタープライズとNHKテクノロジーズの共同制作による8K 3Dインタラクティブ映像作品「カナシミの国のアリス」などを上映
INSIGHT Laser 8K Imaging by ASTRO 8K Projector。台湾Delta Electronicsと英Digital Projection社の3社による共同プロジェクトで開発されたもので、光源にレーザー採用したDLP方式のプロジェクター