米ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントと米ユニバーサル・ピクチャーズ ホームエンターテイメントは1月15日、北米でのDVDやブルーレイといった、ディスク販売および流通事業を統合し、運用する合弁会社を設立することを発表した。

現在は合弁会社について規制当局の承認を待っており、2021年初頭に新会社の運営を開始する計画だ。合弁事業の対象には、「ジュラシック・ワールド」(ユニバーサル)シリーズと「スーサイド・スクワッド」(ワーナー・ブラザース)シリーズの次作といった新旧の映画作品やTV番組が含まれ、アメリカとカナダで最大10年間、Blu-ray、DVD、およびUHD BDといったディスク販売と小売り向けのマーケティングを行なう。デジタル配信事業については既存のまま両スタジオが独立して運営し、物理的およびデジタル両方のコンテンツと消費者向けマーケティングを継続していく。合弁会社のトップは、ユニバーサル・ピクチャーズ ホームエンターテイメント社長のエディ・カニンガム氏が務める予定。

また両スタジオは、合弁会社と並行してディスク流通に関する国際ライセンス契約を締結しており、ユニバーサル・ピクチャーズは2020年第3四半期より、ドイツ・オーストリア・スイス・日本でワーナー・ブラザースのディスク流通を担当するという。ワーナー・ブラザースは2021年第1四半期より、イギリス・イタリア・ベルギー・オランダ・ルクセンブルクで、ユニバーサル・ピクチャーズのディスク流通を担当する。

長年、DVD販売はハリウッドにとって金銭的利益をもたらせていた。しかし、ストリーミングとデジタルプラットフォームの台頭によって、現在の物理的な製品販売は、ホームエンターテイメント全体の売上のほんの一部となってしまっている。

デジタル・エンターテイメント・グループ(DEG)によると、米国での2019年のディスク売上高は、2005年のピーク時の163億ドル(約1兆7900億円)から80%近く減少した。2019年ではYoY-18.2%で約59億ドル。半面、ストリーミングやダウンロードなどデジタル配信の売上高は2016年にディスク売上を追い越し、2019年はYoYで+23.7%の急増の159億ドル、ホームエンターテイメント市場全体の63%を占めている。2社は、物理的なビジネスは依然として業界にとって重要であるとみなし、流通を最適化することで、フォーマット存在の寿命を延ばす考えである。

(ザッカメッカ)