オリンパス株式会社は、マイクロフォーサーズシステム規格準拠のミラーレス一眼カメラ「OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III」を2020年2月28日に発売する。希望小売価格はオープン、市場想定価格は以下の通り。

「OLYMPUS OM-D E-M1 Mark IIIボディーのみ」税別:20万円前後

「OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III 12-40mm PROレンズキット」税別:26万円前後

「5軸シンクロ手ぶれ補正」イメージ

マイクロフォーサーズシステムが実現した小型・軽量システム OM-D E-M1 Mark IIIは、防塵・防滴、耐低温設計の堅牢なマグネシウム合金ボディーを採用。対応レンズのレンズ内手ぶれ補正機構とボディー内5軸手ぶれ補正機構をシンクロさせることで、7.5段の手ぶれ補正を実現した「5軸シンクロ手ぶれ補正」に対応。暗所や超望遠の撮影時でも強力に手ぶれを補正することで、静止画、動画を問わずさまざまな撮影シーンにおいて三脚を使用しない撮影スタイルも可能。また、ボディー内に手ぶれ補正機構を搭載すること新画像処理エンジン「TruePic IX」基板イメージにより、装着したすべてのレンズで手ぶれ補正が働き、最高7段分の補正効果が得られるとしている。

新画像処理エンジン「TruePic IX」基板イメージ

約5000万画素の高解像画像を三脚なしで撮影できる「5000万画素手持ちハイレゾショット」を搭載。撮影中に発生するわずかな位置ずれを利用し、16回連続して撮影した画像をもとに約5000万画素の写真を生成する機能。また「三脚ハイレゾショット」も搭載し、JPEG記録時でも約8000万画素相当の高画質で撮影可能。

「OM-D E-M1X」に搭載されている「ライブND」も備えており、効果の段数はND2(1段分)~ND32(5段分)の5段階から選択可能で、スローシャッター効果は撮影前にファインダーで確認できる。

USB経由での本体内充電に対応し、装てんしたリチウムイオン充電池「BLH-1」が最速約2時間で充電可能。また、USB PD(USB Power Delivery )規格のモバイルバッテリーに対応し、給電しながらの長時間撮影も行える。

イメージセンサーのフィルターを30,000回/秒以上の超高速で振動、ゴミやホコリを強力にはじき飛ばすSSWF(スーパーソニックウェーブフィルター)を搭載。OM-D E-M1Xにも採用した新コーティングを施こすことで、ゴミやホコリが付着しにくくなり、従来機に比べ写真に写り込む可能性を1/10に低減しているという。

画面内のさまざまなポイントでフォーカシングが行える121点オールクロス像面位相差AFセンサーを搭載。画面の縦75%、横80%をカバーする測距エリアと、進化したAFアルゴリズムによって、素早く動く被写体も高精度に捉え続けるという。一眼レフのようなAF光束制限がないため、開放値がF1.2といった大口径レンズの性能を十分に引き出すフォーカシングが行える。有効画素数約2037万のフル画素のまま、AF/AE追従で最高18コマ/秒の高速連写も可能。

ファインダーを覗きながら親指の操作で素早くAFターゲットを移動できる「マルチセレクター」を搭載し、連写中でもマルチセレクターでAFターゲットを動かせるため、動きの激しい被写体でも確実にピントを合わせられる。移動したAFターゲットを画面の端で止めるか、反対側の端に移動するかを選択できるAFターゲットの循環選択も可能。

新開発の「星空AF」で天体撮影の超高精度オートフォーカスが可能となった。暗闇に光る微小な星にも確実にピントを合わせられるアルゴリズムを新たに開発し、超高精度のオートフォーカス撮影を実現。「星空AF」にはフォーカスのスピードを優先し、短時間でAF動作を完了させ、強力な手ぶれ補正により広角レンズによる手持ち星空撮影すら可能にする「速度優先」(デフォルト設定)と、より細かいフォーカススキャンを行って、望遠レンズで特定の天体を狙う場合などにも有効な「精度優先」の2つのモードを搭載している。

カメラが自動的に人物の顔・瞳を検出してピント合わせを行う「顔優先/瞳優先AF」も進化しており、新画像処理エンジン「TruePic IX」の処理能力とアルゴリズムの改善により、小さな顔や瞳の検出性能、顔の向きが頻繁に変わるシーンなど、顔の検出が難しいシーンでの追従性も向上している。さらに、静止画撮影時と動画撮影時いずれもボタン/タッチ操作による顔選択や、ボタン操作による検出のON/OFF変更が可能。

人の反応タイムラグやカメラの動作タイムラグが原因で今まで撮り逃していた瞬間を確実に記録できる「プロキャプチャーモード」を搭載。1stレリーズで記録を開始し、2ndレリーズ時点からさかのぼって最大35コマ記録可能。撮影中のブラックアウトがないため、被写体の動きをしっかりと確認しながらシャッターが切れるという。また、RAW撮影にも対応。

画面の明るく変化した部分のみを追加で合成する「ライブコンポジット」(比較明合成)を搭載し、ライブビューで露出の状況をリアルタイムに確認しながら撮影できる。また、「ライブコンポジット」は最長6時間の撮影が可能。撮影モードダイヤルには「B」モードを追加、「ライブコンポジット」および「ライブバルブ」「ライブタイム」へのアクセス、設定がよりスムーズに行えるとしている。

ボディー内5軸手ぶれ補正に電子手ぶれ補正を組み合わせることで高い手ぶれ補正を実現する、動画撮影専用の手ぶれ補正モードM-IS1を搭載。ぶれの影響を受けやすい4KやCinema 4K(C4K)動画時にも、三脚や特別な安定装置を使うことなく手持撮影が可能。

暗部からハイライトまで黒つぶれ、白とびさせることなく撮影し、カラーグレーディングを行うことで、自由度の高い映像表現ができる「OM-Log400」撮影に対応。ライブビュー映像を見やすくするために、フルHD規格のBT.709相当の色域に変換して表示するビューアシスト機能も備えている。

リニアPCMレコーダー「LS-P4」をショックマウントアダプター「SM2」、オーディオケーブル「KA335」と共に「OM-D E-M1 Mark III」に装着した状態

ハイレゾ録音に対応したリニアPCMレコーダー「LS-P4」を外部マイク/レコーダーとして組み合わせることで、より多彩で高音質な動画音声記録が可能だという。LS-P4を被写体の近くに設置して狙った音を録音、あるいはマイクの指向性を切り替えて音源にズームして録音するという使い方も可能。LS-P4のファームウェアをOM-D E-M1 Mark IIIの発売と同時に行われるVer.1.10へアップデートすることで、音声データの編集に便利な「スレートトーン」、失敗のない音声記録をアシストする「テストトーン」の各機能が使用可能となる。

OM-D E-M1 Mark IIIは、Wi-Fiでカメラと接続して撮影データをスマートフォンに転送、あるいはスマートフォンからのリモート操作が行えるスマートフォン用アプリケーション「Olympus Image Share」経由でカメラ本体のファームウェアのアップデート、設定のバックアップ/リストアに対応。また、スタジオ撮影の要望に応えるPC用のカメラコントロールソフトウェア「Olympus Capture」では、USBケーブルを接続することなくWi-Fi経由での撮影画像転送に対応。5GHz帯域にも対応している。

画像編集ソフトウェア 「Olympus Workspace」とOM-D E-M1 Mark IIIをUSB接続することでOlympus Workspace上から、新画像処理エンジン「TruePic IX」を使用しての高速なRAW現像が行える。さらに「明瞭度」「かすみ除去」といった編集フィルターも搭載している。OM-D E-M1 Mark IIIの発売と同時に行われるVer.1.3へのアップグレードにより、動画内のスレートトーンの入った音声データをLS-P4で録音した、より高品位な音声データへの入れ替えが容易に行えるとしている。