ソニービジネスソリューション株式会社は、既存のシステムカメラと組み合わせて使用することで、映像や音声信号などのIP伝送を行い、リモートプロダクションを機動的に実現するIPカメラエクステンションアダプター「HDCE-TX30」と、IP CCUエクステンションアダプター「HDCE-RX30」を2020年夏に発売する。希望小売価格はHDCE-TX30が税別1,600,000円、HDCE-RX30が税別1,900,000円。
IP CCUエクステンションアダプター「HDCE-RX30」
従来リモートプロダクションを行う場合、撮影現場では、カメラ及びカメラコントロールユニット(CCU)に加えて、スタジオシステムと撮影現場の間でリターン映像信号・タリー信号・インターカム信号などIPで送受信するためのゲートウェイ装置も別途準備が必要であった。
IPカメラエクステンションアダプターHDCE-TX30は、IP伝送の標準規格である「SMPTE ST 2110」に対応し、カメラとCCU間の映像・音声信号を双方向伝送できることに加え、IPタリー、IPインカム、PTP同期にも対応。これにより、SMPTE ST 2110で構築されたスタジオシステムとリモートプロダクションを行う場合、ゲートウェイ装置を用いずに、撮影現場にカメラ本体と本機のみを持ち込み、ネットワークケーブル1本で各種信号を多重化して伝送する運用(ダイレクトモード)が可能。設置性に配慮してコンパクト設計となっており、中継車の乗り入れが難しい環境などにおいて、最小限の機材と人員で、ライブ中継などの映像制作を実現するという。
また、IP化した信号とCCUが送受信する信号を相互変換するIP CCUエクステンションアダプターHDCE-RX30は、ベースバンドシステムで構築された従来のスタジオシステムなどIP化されていない環境で、新たにIPリモートプロダクションの運用を取り入れる場合に適したモデル。カメラとCCU間にHDCE-TX30、HDCE-RX30の双方を追加することで、カメラ・CCUをつなぐ距離をIPネットワークで延長できるため、既存のHDCシリーズの局内カメラシステムを生かした運用(ペアモード)が可能としている。
ソニービジネスソリューションは、スポーツ中継やコンサートなどのリモートプロダクションをさらに便利な環境に発展させるべく、IP Liveプロダクションシステムのソリューションを推し進めていくという。