Blackmagic Designの発表によると、シンガポールに拠点を置くEcho Entertainmentが、メディアコープ・シンガポールの近日公開予定のコメディー・ドラマ「Classmates」の第一シーズンをURSA Mini Pro G2でBlackmagic RAWを使用して撮影したという。また、同社はDaVinci Resolve StudioをカラーコレクションとVFX、DaVinci ResolveのFairlightページをオーディオ編集に使用した。

2010年に創立されたシンガポールの制作会社であるEcho Entertainmentは、あらゆるジャンルのテレビドラマ、企業ビデオ、CM、マルチカム制作を手掛けている。絵コンテから撮影、ポストプロダクションまで、同社では制作およびポストプロダクションのすべてをカバーするサービスを提供している。

同社のディレクターであるシャイフル・リーザル氏と撮影監督のシャーリーン・タジュリ氏は「Classmates」の全10話の撮影に、そのハイダイナミックレンジとカラーサイエンスを理由にURSA Mini Pro G2を選んだ。撮影にBlackmagic RAWを使用することで、ストレージにかかる費用を抑え、制作とポストプロダクションの間におけるワークフローを改善した。

リーザル氏:Blackmagic RAWは、本作の撮影にBlackmagic Designカメラの使用を決めたもう一つの要因です。ポストプロダクションで非常に助かりました。10話のドラマの撮影には、多くのフッテージが必要です。Blackmagic RAWでは、ストレージの容量がコンパクトに済みます。ポストプロダクションにフッテージを持ち込むのも簡単でした。Blackmagic RAWフッテージではカラーグレーディングの際に、ISO、ホワイトバランス、ガンマを簡単に調整できるので、私自身、ディレクター、カラリストの3人とも、まるでセットに戻って、これらを調整しているように感じました。

「Classmates」はシンガポール各地でロケ撮影された。ほとんどのシーンは明るい照明を使用したが、物悲しいシーンの撮影も多数行われた。そういった場面で、URSA Mini Pro G2のハイダイナミックレンジと高解像度が本領を発揮し、暗いシャドウと明るいハイライトの領域のディテールを捉えたクリーンな映像を得られた。

あるシーンで、シャーリーンはステディカムにG2をマウントして、長回しすることにしたんです。ロケ地は大学だったのですが、そのシーンは自然光の下での撮影となりました。カメラのハイダイナミックレンジのおかげで、照明条件が一定しない中でも撮影を継続でき、背景の照明が強すぎても、ミッドトーンのディテールを逃していないと実感しながら撮影できました。

URSA Mini Pro G2を撮影に使用した理由は、ハイダイナミックレンジとネイティブISOの高さです。カメラを初めて見た時、カラーサイエンスがポストプロダクションで大いに役立つはずだと思いました。また、テレビ放送用の制作にはRec.709カラースペースを使用する必要がありますが、G2のカラーサイエンスは、Rec.709を全く新しいレベルに引き上げてくれます。

同作のカラーコレクションとVFXにはDaVinci Resolve Studio、オーディオ編集にはDaVinci ResolveのFairlightページが使用された。

ロケ撮影なので場所によって音響が全く異なります。以前にFairlightページを使用したことがあり、その性能を把握していたので、オーディオをどこまで向上できるか分かっていました。

同作には、テレビ放送用のRec.709のルックを適用するように依頼されたという。撮影には、Blackmagic Designの「Extended Video」LUTをガイドとして使用し、DaVinci Resolve Studioの多数の機能を使用して、そのルックを実現した。

テレビ放送用のRec.709のルックをシネマライクにしたいと考えていました。DaVinci Resolve Studioでは、彩度とガンマの高い、私たちが求めるルックを作成できます。後日、ルックと雰囲気を変えたくなったとしても、DaVinci Resolve StudioとBlackmagic RAWを組み合わせて使用することで、簡単に変更できます。特に、DaVinci Resolve StudioのRAWコントロールと色相・彩度カーブは本当に便利な機能です。