総合光学機器メーカーの株式会社タムロンは、35mmフルサイズミラーレス一眼カメラ対応のソニーEマウント用高倍率ズームレンズ「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD(Model A071)」(以下:Model A071)を2020年6月25日に発売する。希望小売価格は税別90,000円。なお、今後の新型コロナウイルス感染症の影響により、発売時期見直しや供給が遅れる可能性があるという。
Model A071は、高倍率ズームとしては初めて、広角端28mmで開放F2.8の明るさを実現。また、ズーム中間域での開放F値は50mm:F3.5、100mm:F4.5。150mm、望遠端200mmにおいてもF5.6を達成。「明るさ」と「コンパクトさ」を備えた今までにない高倍率ズームとして、撮影の自由度をこれまで以上に大きく広げるとしている。
28-75mm F2.8 (Model A036)から始まったフルサイズミラーレス用レンズシリーズは、共通して高性能と利便性の両立を目指して開発されており、Model A071はシリーズを踏襲したフィルター径Φ67mmに加え、カメラボディ内の手ブレ補正機能を活用することで、長さ117mm、最大径Φ74mm、質量575gの小型・軽量を実現。
レンズ構成は14群18枚。GMレンズ(ガラスモールド非球面)や複合非球面レンズ、XLD(eXtra Low Dispersion)レンズ、LD(Low Dispersion:異常低分散)レンズといった特殊硝材レンズを適切に配置することで、色収差をはじめとした諸収差を効果的に抑制し、高い解像力を実現しているという。また、反射防止効果の高いBBAR(Broad-Band Anti-Reflection)コーティングが、ゴースト・フレアの発生を効率よく抑える。歪曲収差や周辺光量はカメラ側の補正機能を活用し、ズーム全域で画面の中心から周辺まで均一な高画質を達成している。
Model A071は、広角端28mmでは最短撮影距離0.19m、最大撮影倍率1:3.1の接写が可能。思い切って寄ることで、開放F2.8を生かした被写体を大きく、背景をボカした世界を気軽に楽しむことができるとしている。また、望遠端での近接撮影性能も高く、最短撮影距離0.8m、最大撮影倍率1:3.8と、より背景を大きくボかした印象的な写真を撮影可能。
AF駆動にはレンズ位置を高精度に検出するセンサーと、AF制御に最適化されたステッピングモーターユニット「RXD」を搭載。高速かつ精密なAF動作を実現し、被写体が動き続ける動体撮影や動画撮影でも、的確にピントを合わせることができる。また、静粛性にも優れているため、動画撮影時にレンズの駆動音が記録されにくいことも特長だ。RXDはAF駆動系の構成をコンパクトにすることができるため、レンズ全体の小型軽量化にも寄与している。
Model A071は、同社製フルサイズミラーレス用レンズシリーズ共通のコンセプト「コンパクトなカメラボディの特性を活かし、気軽に交換レンズの多彩な組み合わせを楽しんでいただきたい」という思いで企画されている。例えば、17-28mm F2.8(Model A046)との組み合わせでは、質量1kgを切る995gながら、焦点距離17-200mmの広角~望遠までをカバーする軽量で機動性のあるズームレンズセットに。また、20mm F2.8(Model F050)や24mm F2.8(Model F051)といった単焦点シリーズとの組み合わせでは、800gを切る質量で撮りたい被写体に合わせた広角側を拡充しての撮影が行える。
また、撮影時のフィルターワークやレンズ交換時の手間や負担軽減を考え、フィルター径はΦ67mmとシリーズ共通。PLフィルターやNDフィルターをはじめとした各種フィルター、レンズキャップなどの共用が可能。
レンズ鏡筒の可動部や接合部など、主要な箇所に防滴用のシーリングを配し、レンズ内部に水が侵入しにくい簡易防滴構造を採用。また、レンズ最前面には撥水性・撥油性に優れたフッ素化合物による防汚コートを搭載。水滴、手の脂などの汚れが拭き取りやすく、メンテナンスが容易。さらに、ズームロック機構を採用しているため、携帯時の自重落下を防ぐとしている。