Blackmagic Designの発表によると、Nextologiesがポイント・ツー・ポイントおよびポイントツーマルチポイントのビデオネットワークに、DeckLink Duo 2およびDeckLink Quad 2キャプチャー・再生カードをフルタイムで使用しているという。

NextologiesとDeckLinkを組み合わせたソリューションは、「アメリカン・アイドル」の2020年5月のフィナーレや先日行われた「トップランク」のボクシング試合、UFCイベントなどで、世界各地の放送局や番組のプロデューサー、タレントに使用されている。

今年、同社にとって最も注目に値する出来事は、スペースXのロケット打ち上げ前の生放送およびロケット着水を追った番組を扱ったことだという。また、AP通信社に対しても技術提供を行なっており、膨大な数に及ぶ、世界各地に展開する同社の報道機関をサポートしている。

Nextologiesは、放送局やコンテンツ所有者に対して、多様なビデオ送信プロダクトやサービスを提供するメディアソリューション・プロバイダー。同社は、信号の送信、ポイント・ツー・ポイントおよびポイントツーマルチポイント、マスターコントロール、再生、アップリンク、伝送サービスに加え、カスタムIP放送、OTTプラットフォーム、モバイルアプリなどの作成も専門としている。

2006年に独自のOTTプラットフォームである「NEXTV」を開発した同社は、技術革新の先頭を走る存在だ。特許を取得したハードウェアであるNXT-4 HD/SDデコーダー・エンコーダーおよび新製品Nextologies Encoderはすべて、ハードウェアベースのキャプチャー・再生にDeckLink Duo 2またはDeckLink Quad 2を使用している。NextologiesのCEOであるサーシャ・ジバノビック氏は次のようにコメントしている。

DeckLinkシリーズは、柔軟性が高く、世界各地で入手でき、手に入りやすい価格なため、何年にもわたって使用してきています。DeckLinkのおかげで、新しい製品やサービスを開発するにあたって極めてクリエイティブになれます。

最初のサービスを放送局向けに展開した際に、エンコーダーとデコーダーだけで25,000ドル以上しました。また、当時は一体型のビデオ送信サービスを提供している会社はなかったので、一時的な解決策とするために様々な機材、フォーマット、仲介を作成する必要があり、頭の痛い問題でした。

PCIeキャプチャー・再生カードであるDeckLinkは、Mac、Windows、Linuxに対応した世界最高性能のキャプチャーカード。DeckLink Duo 2は、4つの独立した3G-SDIインターフェースを搭載しており、1080p60までのSD/HD-SDIフォーマットに対応している。DeckLink Quad 2は、8つの独立したSDIキャプチャー・再生チャンネルを搭載しており、4つの独立したキャプチャー・再生チャンネルを使用できる。これに加え、さらに4つのチャンネルをサポートしているため、各チャンネルを自由に組み合わせて、8チャンネルまでのキャプチャーまたは8チャンネルまでの再生にも対応できる。

NextologiesとDeckLink Quad 2を組み合わせたソリューションの使用例には、先日行われたスペースXのドラゴンの打ち上げと着水を取り上げたディスカバリーチャンネルの番組が挙げられる。同社は、モバイル放送会社のPSSI Global Servicesと協力して、打ち上げ前の生放送用のビデオ接続を手掛けた。新型コロナウイルス感染症の影響により、出演者およびプロデューサーはアメリカ各地からリモートで作業をしていたため、PSSIはNextologiesのNXT-16に加え、NXT-4とNXT-Liteを組み合わせて、プログラムフィードを送信した。これにより、極めて高品質かつ低遅延でシームレスなリモート制作が実現した。

DeckLink Quad 2は各Nextologies製品に使用され、バーバンクにあるPSSIのコントロールセンターに送られた。DeckLink Duo 2は、NXT-4およびNXT Liteに使用され、出演者に送られた。

スペースXの打ち上げのような、歴史的な生放送では技術的な問題を起こす余地はありません。簡素化したプロセスと完璧な機材を使用することは必須です。DeckLinkは、複数のSDI接続を扱え、あらゆるタイプのメディアフォーマットを扱える柔軟性があるので、今回の制作において重要な役割を果たしてくれました。