ローランド株式会社は、スポーツのライブ配信にスローモーションのリプレイ映像を挿入可能なビデオ・インスタント・リプレイヤー「P-20HD」を2021年春に発売する。希望小売価格オープン、市場想定価格は税込40万円前後。

P-20HDは、簡単な操作でスローモーション・リプレイを可能にする映像機器。ホームランを打つバッターのスイング、ゴールを決めるシュートのシーンなど、スポーツの決定的な瞬間を指定して抜き出し、リアルタイムでリプレイ映像の挿入を実現する。

P-20HDでは、録画メディアにSDカードを採用しており、録画を継続しながら録画済み映像の特定部分を抜き出し、インスタント・リプレイが可能。さらに、試合のハイライトになる場面を選択して、「クリップ」として登録すれば、すぐに再生することもできる。

ビデオ・スイッチャー「V-60HD」(左)と組み合わせてより高度な映像演出を実現

また、複数のクリップをまとめた「プレイ・リスト」を作成し、指定した順に再生することも可能。別途、パソコンのビデオ編集ソフトに取り込む必要はなく、P-20HD本体だけで簡易編集が行える。「V-60HD」などのビデオ・スイッチャーと組み合わせて使用することで、ライブ配信番組のエンディングに試合のダイジェスト映像を流す演出も可能だ 。

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トップ・パネル
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本体のトップ・パネル上に集約されたボタンやスイッチで、シンプルで直感的な操作を実現。再生や一時停止、マーカーへのジャンプなどの操作は、専用のトランスポート・ボタンを押すだけでできる。リプレイや映像編集の際には、早送りと巻き戻しが滑らかに行えるジョグ/シャトル・ダイヤルの操作で、必要なシーンを素早く見つけ出すことができる。また、スピード・レバーを上下することで、リプレイ映像の再生速度の調整が可能。

プレビュー用のカラー液晶ディスプレイを搭載しており、ディスプレイ左上に現在のビデオ入力(ライブ・イン)が表示されるほか、録画中の映像の長さやSDカードの空き容量などの情報も表示される。ディスプレイ右上には再生中の映像が表示されるほか、ビデオ・クリップやプレイ・リストなどの準備状態も確認することができる。

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リア・パネル
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HDMI入力は2系統を備えており、それぞれの映像を合成して録画可能。各系統にスケーラーが内蔵されており、さまざまなフォーマットの信号をコンバーターなしで入力可能。P-20HDの録画フォーマットには、H.264を採用し、低ビットレートでも高品質を保ち、小さいファイルサイズで高画質な映像を実現する。H.264は、さまざまな動画共有サービスやビデオ編集ソフトで利用でき、P-20HDで制作したファイルを、変換することなくそのままアップロードや編集することが可能。

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フロント・パネル
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P-20HDは、電子楽器メーカーであるローランドならではの音声機能も搭載。音声入力はHDMIとアナログRCAに対応し、ヘッドホン・ジャックも備えている。さらにイコライザー、リミッター、ディレイなどのエフェクトも内蔵し、音質の補正や、音声と映像の同期を調整することができる。