Blackmagic Designの発表によると、公共放送局である第2ドイツテレビが制作した3本のドキュメンタリーの編集およびグレーディングにDaVinci Resolve Studioが使用されたという。同シリーズは、同局でゴールデンタイムに放送されている「Terra X」の一環として制作された。
この45分のドキュメンタリー3作は、South&Browse GmbHの一部門である、ミュンヘンの制作会社South&Browse Fictualにより企画され、auf!Schnittのセバスチャン・リーツラー氏が編集を手掛けた。
リーツラー氏:「Terra X」は、何年にもわたってドイツのテレビでゴールデンタイムに放送されている番組で、歴史的に重大な事件、宇宙探査、世界各地の自然環境など、多岐にわたるトピックを扱っています。以前「Terra X」の作品を手掛けたことがあり、私のクリエイティビティと技術的な知識が買われ、このプロジェクトに参加することになりました。
同氏が、本作の編集にDaVinci Resolve Studioを選んだ理由は、本作をSDRとHDRの2バージョンで制作する必要があったからだという。
以前のプロジェクトではラウンドトリップする必要があり、ポストプロダクションが複雑で扱いにくい作業になってしまいました。そこで、本作では効率化のためにDaVinci Resolve内で作業を行うことに決めました。
このドキュメンタリー3作は「One Moment in History(歴史的な瞬間)」シリーズの一部で、19世紀ヨーロッパにおける最大規模の戦闘であったライプツィヒの戦い、ユリウス・カエサルの暗殺、バスティーユ襲撃などの歴史的に重要な出来事を振り返る。
各回で再現シーンがあり、番組のナビゲーターが時間を止め、セット内を歩き回り、登場人物や、セット、小道具などに触れて、説明を行う。再現シーンの合間に挟まれた歴史家へのインタビュー映像の一部は、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kで撮影された。
番組の各要素は、異なるカメラ、異なるフレームレートで撮影されたため、編集がシームレスになるように多くの面で気を配る必要がありました。作品内には、動きが完全に止まる箇所がたくさんありました。そういった場面で、DaVinci Resolve Studioのオプティカルフローで速度ランプを0%にし、素晴らしい結果が得られました。
同氏はDaVinci Resolve Editor Keyboardを使用して、最初のラフカットの作業をスピードアップした。
DaVinci Resolve Editor Keyboardとカットページは本当に上手く機能します。プロジェクトの初期段階の最も難しく、手間がかかる部分において、大きな違いをもたらしてくれました。人間工学の観点から言って、シャトルホイールは非常に優秀ですね。
「Terra X」は各回で独自のスタイルを採っていますが、すべての作品において高い水準を保っている必要があります。DaVinci Resolveで行うポストプロダクションは、ゴールデンタイムの作品用に複数のフォーマットで高品質の納品用ファイルを作成するために必要な柔軟性と安定性があり、スタッフは制作のクリエイティブな面に集中して作業することができました。