共同検証イメージ

パナソニック株式会社 コネクティッドソリューションズ社は、ソフトバンク株式会社と協力し、クラウド上で映像制作を完結できるシステム(以下:同システム)を共同開発し、地上デジタル放送での共同検証を実施した。同システムは、ICT(情報通信技術)を活用して映像制作をクラウド化し、撮影から制作、編集、配信までをシームレスに行うことを定義した概念「Broadcast as a Service」を実現するもの。

インターネット配信の増加などにより、映像コンテンツの需要は拡大しているが、映像制作の人材不足に加えて、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、現場集中型のワークフローが課題となっている。また、近年の映像コンテンツの高度化による制作機材のコスト増加が放送局や映像制作会社の負担となっており、映像制作のプロセス改革が求められている。そこで、AV技術に強みを持つパナソニックと、ネットワーク技術に強みを持つソフトバンクが協力することで、遠隔地からクラウド上で映像制作を完結できる同システムを共同開発したという。

同システムは、ソフトバンクのデータセンターにある映像制作システムに、パナソニックの新IT/IP プラットフォーム「KAIROS」を導入。パナソニックの放送用ネットワークカメラを活用し、撮影現場とデータセンターをIPネットワークで接続することで、撮影から編集までの工程をIPで実現。これにより、事前収録した映像素材やライブ映像をソフトバンクのクラウドサーバーにアップロードすることで、別の場所から遠隔操作・映像編集を行う分散型のリモートワークフローを実現し、従来よりも効率的に映像制作を進めることが可能だとしている。共同検証内容は以下の通り。

(以下、プレスリリースより引用)

(1)収録(事前)
パナソニック製放送用ネットワークカメラ(AG-CX350)で事前収録。収録した映像データをファイル化し、データセンターへアップロード。遠隔地からアップロードした映像データにアクセスし、事前に編集。

(2)収録(当日)
スタジオにて4台のカメラで撮影した映像を、ストリーミングでデータセンターへ入力。事前収録映像と併せて、遠隔地のサブスタジオから映像をスイッチング。

(3)番組映像編集
遠隔地から収録した映像データにアクセスして編集。番組用映像データを作成。

共同検証写真(収録当日)

なお、両社が制作会社に同システムを提供し、事前収録から制作・編集までをクラウド上で行った番組が、2020年12月18日から地上デジタル放送で順次放送されている。