Blackmagic Designの発表によると、Koala FurnitureのKoala Mattress用の新しいCMキャンペーンが、URSA Mini Pro 12Kで撮影されたという。同CMは、URSA Mini Pro 12Kを使い、Blackmagic RAWで収録された。ポストプロダクションでのコラボレーションおよびカラーコレクションにはDaVinci Resolve Studioが使用された。
Koala Furnitureは、急成長中の世界的な家具チェーンで、オンラインで高品質の家具を賢く購入できるようにするというミッションを持っている。今回の新しい広告キャンペーン制作にあたり、Koala Furnitureは、シドニーを拠点とするEight Productions、そしてブリスベンを拠点とするThe Empire Postにポストプロダクションを依頼した。
ヴィンセント・デジデリオの絵画「スリープ」、そしてカニエ・ウェスト「Famous」のミュージックビデオのオマージュとして制作されたこのCMでは、Koala Mattressで快適に眠っている複数の人と1匹の犬が登場する。「Famous」のミュージックビデオと同様、このCMは眠っている一人の人物のクローズアップで始まり、そこからゆっくりと引いていって、上からのショットで全員が映し出される。しかし新型コロナウイルスによる制限で、複数の俳優を一度に撮影することができなかったため、ベットで眠る人々は個別に撮影された。
監督/撮影監督を務めたジェイ・トッピング氏とEight Productionsのシニアプロデューサーであるニック・ケリー氏は、URSA Mini Pro 12Kを使って10本のショットを12Kで撮影し、その後The Empire Postと協力して最終的なエフェクトをリモートで完成させた。トッピング監督とケリー氏は、シドニーを拠点としているが、The Empire PostはブリスベンでDaVinci Resolve Studioを使用していた。
トッピング監督とケリー氏が撮影したかったショットは、本来であればクレーンや従来的なモーションコントロール技術が必要であったが、新型コロナウイルスによる撮影規制のために、他の方法を模索しなければならなかった。
トッピング監督:マットレスの上で俳優たちを近づけられないため、カメラ以外の撮影ソリューションを考える必要がありました。デジタルによるアプローチが必要だったわけです。クローズアップのショットから体全体のショットまでシームレスに引いていくことが最大の難関でした。シーンの最初から最後までイメージを持続させるには、解像度が鍵となることが分かっていました。高解像度シネマカメラの世界において、URSA Mini Pro 12Kの解像度に並ぶカメラはありません。
最初に俳優の位置を決め、次に最終的なイメージにおいて、俳優と俳優の間のシーツに生じる皺の流れを決めました。各俳優を別々のプレートに配置し、何時間もシーツと格闘しました。そしてそれぞれのプレートを並べて、The Empire Postがシームレスにこれらを繋ぎ合わせられるようにしました。そして最終的なカメラの動きをポスプロで作成したんです。
このスポットCMは、Koala Mattressの上で幸せそうに眠るカップルのタイトショットで始まる。このイメージからゆっくりと引いて行き、上からのショットに全体が収まると、カップルの両脇で別のベッドで寝ていた人々も画面に入ってくる。
URSA Mini Pro 12Kの高解像度を利用することで、トッピング監督はイメージ全体で驚くほど膨大な情報を得られた。これにより、12Kフレームのクローズアップからの電子ズームでも、ポストプロダクションで解像度を失うことなく、カメラの動きを作成するために必要なデータが得られた。
URSA Mini Pro 12Kの忠実性は素晴らしいですね。他のカメラの遥か先を行くもので、まさに私たちが求めていたものでした。また、12KのBlackmagic RAWで撮影することで、スチルを直接取り出せたので、時間を大幅に節約できました。これらのスチルは印刷物や屋外広告に使用される予定です。各フレームが80メガピクセルに相当するので、シネマカメラからのスチルでは、メディアフォーマットスチルに最も近いものです。
Blackmagic RAWで撮影したことで、フッテージをインターネット経由で電子的にすばやくthe Empire Postへと送信し、シームレスにDaVinci Resolve読み込むことができた。DaVinci Resolveでプレートを作成し、それらが合成された。The Empire Postのディグビー・ホーガン氏は次のようにコメントしている。
ホーガン氏:12Kフッテージは全く新しい世界です。12Kファイルを扱うことの難しさに対して、少なからず緊張しましたね。しかし、DaVinci ResolveでBlackmagic RAWフッテージを扱うことが夢だったんです。実際、ポストプロダクション・ワークフローはとてもシンプルでした。
10本の12Kプレートを繋ぎ合わせて1つの大きなベッドを作成しました。このフッテージは最初にDaVinci Resolveでグレーディングを施し、その後またDaVinci Resolveで編集を行いました。12Kフッテージが持つディテールは驚異的でしたね。必要な動きを作成するためのデータ量が得られるのはもちろん、ファブリックの質感など、すべての部分で優れたディテールを得られました。
このCMは現在、オーストラリア、ニュージーランド、一部のアジアの市場、さらにKoala Furnitureの世界的なソーシャルメディアで視聴できる。