Blackmagic Designの発表によると、エステティックTBCの最新テレビCM撮影にBlackmagic URSA Mini Pro 12Kが使用されたという。また、同作はDaVinci Resolve Studioでグレーディングされた。
モデル、インフルエンサーとして人気のタレントであるローラが出演する同CMは全編ブルーバックで撮影されており、ローラがゴールに向かって砂漠の中を走り抜けるという内容となっている。制作を担当したのは数々の大手企業のCMを制作し、国際的な広告賞も数多く受賞している、制作会社TOKYOのCEO兼ディレクターである谷川英司氏。Blackmagic URSA Mini Pro 12Kでの撮影は同社の撮影監督である佐藤匡氏が担当した。
谷川氏:本来であれば、ロケーション撮影をしたかったのですが、コロナ禍での撮影だったため全て合成で行うことになりました。世界観としては美を渇望する女性の代表としてのローラさんを表現するため、砂漠の灼熱感を出すようにしました。
Blackmagic Designのカメラは以前から使っていて、新しいものが出たら飛びついていました。今回は新しいカメラがリリースされて、この撮影の時期とちょうどいいタイミングだったので使ってみることになりました。また、ハイスピード撮影が必要だったのも採用の決め手です。
コマ数は多ければ多いほどよかったのですが、予算的に一般的なハイスピード撮影用のカメラを導入するのは難しかった。Blackmagic URSA Mini Pro 12Kを使うことで、予算内に収めながらも4K撮影で240fpsまで撮影できました。
佐藤氏:12Kのカメラということで、レンズ選びもいつもの感覚とは違うので気を使う部分もありましたが、実際に撮れたものは満足のいくものでした。カメラの使用感も、今まで使ってきたBlackmagic Designのカメラと同じで問題なく使えます。
4Kで120fps以上撮れるカメラはほとんどありません。あってもかなり高額になってしまいますが、Blackmagic URSA Mini Pro 12Kは痒いところに手が届いていますね。ハイスピード撮影が演出上どうしても必要な作品で、予算的な制約がある場合に、とても活躍すると思います。
今までは、例えばミュージックビデオなどでハイスピード撮影をしたいシーンがあっても、予算が足りない場合はほとんど選択肢がなかったのです。このカメラの登場によって、予算に縛られることなく表現の幅を広げられるのはありがたいですね。
谷川氏:エステティック会社のCMということで美しさが正しく伝わるということが重要でした。この撮影でローラさんの造形美がよく捉えられたと思います。石膏像のような鍛え上げられた身体の画が撮れました。
本作のオフライン編集は谷川氏自ら行った。収録素材を編集して非常に扱いやすいと感じたという。
谷川氏:全編背景をブルーバックで撮っていますが、キーも抜きやすかったですね。オフライン中でも、オンラインでどんな風に仕上がるか予想がつきやすくスムーズに作業できました。グレーディングはDaVinci Resolve Studioで行いました。砂漠の灼熱感が伝わるような色作りを目指しました。撮影時のメイクや照明を生かしながら、テレビのオンエアではあまり見ないような色味を作ることができたのはよかったですね。