パナソニック株式会社は、マイクロフォーサーズミラーレス一眼カメラ 「DC-GH5M2」(以下:GH5 II)を2021年6月25日に発売する。希望小売価格はオープン、市場想定価格はボディのみが税込194,000円前後、標準ズームレンズ(12-60mmF3.5-5.6)が付属したDC-GH5M2Mが税込219,000円前後。

GH5 IIは、スマートフォンなどでは難しい、大きなセンサーのミラーレス一眼だから可能な高画質、ボケ味、暗所での高感度撮影による高品位なライブ配信を実現。また撮影時間無制限を実現する放熱設計と大容量バッテリー、USB給電・充電(USB Power Delivery対応)により長時間の配信が可能。

LUMIXとして初めて搭載した無線ライブ配信機能により、場所を選ばず手軽にライブ配信が行える。従来、ライブ配信では専用のパソコンや追加機材が必要だったが、GH5 IIはスマートデバイスとテザリング接続することで、ミニマルな装備でライブ配信を開始できる。

GH5 IIとスマートデバイスを無線接続し、パナソニックのスマートデバイス専用アプリ「LUMIX Sync(無料)」からライブ配信の操作・設定が可能。YouTubeやFacebookのアカウントにログインして手軽にライブ配信ができるほか、RTMP/RTMPSによるIPストリーミングに対応しているので、ライブ配信サービスへダイレクトに接続することも可能だ。LUMIX Sync上で、ライブ配信用のストリームURLやストリームキー、タイトルなどの入力や配信画質設定なども行える。また、アプリ上でカメラの接続先をWi-Fiルーター等に指定することで、スマートデバイスの通信データを使わずに配信を行うことも可能。

LUMIX Network Setting Softwareをパソコンにインストールすることで、配信サービスのストリームキーや各配信設定をパソコンからSDメモリーカードに書き出すことができる。事前にSDメモリーカードからGH5 IIに配信設定を読み込ませることで、スマートデバイスを使わずにスムーズに無線ライブ配信が行える。また、ライブ配信状況を確認するため、モニター画面に青枠を表示可能。

大容量バッテリーパック(DMW-BLK22)や、外部からの電源供給が可能なUSB給電・充電に対応。またカメラ本体が、電力の供給量が大きいUSB Power Delivery規格に準拠しており、バッテリーの消費を抑制しながら撮影を続けることが可能。マイク端子による音声入力だけでなく、別売のXLRマイクロホンアダプター(DMW-XLR1)を使用することでXLRマイクロホンにも対応する。

また、2021年内ファームウェアアップデートにより、有線IPストリーミング機能(RTP/RTSP)や、4G/5Gに対応したスマートデバイスとのUSBテザリングに対応予定。その他にも、LUMIX TetherやLUMIX Webcam Software(Beta)に対応しており、パソコンとUSB接続してリモート操作やWeb会議を行うことが可能。

ARコート20.3 M Live MOSセンサーを採用。最新エンジン性能を活かしてC4K/4K 60p 10bit記録に対応

最新世代のヴィーナスエンジンにより、C4K/4K 60p 10bit記録や、最新のAFアルゴリズムを採用した「リアルタイム認識AF」を搭載。高速性に優れたマイクロフォーサーズセンサーとの組み合わせにより、従来機(GH5)からAF性能が向上。また、有効画素数約2033万画素のLive MOSセンサーは、ローパスフィルターレス設計によりリアルな解像力を実現したという。またセンサーの表面にAR(Anti Reflection)コーティング処理を施し、逆光の撮影時の反射を抑えてフレアを抑制する。

同社独自の放熱システムとエンジンの省電力化により、時間制限なく動画撮影が可能。イベントやドキュメンタリー撮影などの長時間の動画収録だけでなく、新たに搭載した無線ライブ配信機能を使った配信においてもオーバーヒートを抑制し、時間制限なく配信することができる。

新たにAI分野の先進技術であるディープラーニングを応用したリアルタイム認識AFを搭載。一般的な「顔・瞳認識」に加え、後ろ向きの人物の頭部をとらえる「頭部認識」、遠く小さな被写体全体をとらえる「人体認識」に対応。画角により撮影意図をカメラが自動判別し、背景抜けを押さえながらフォーカスし続ける。ディープラーニングの進化と認識処理の高速化により、顔・瞳認識や人体認識の追従性や速度が大幅に向上。また、動物認識により動物に対しても高いフォーカス性能を発揮するという。

手ブレ補正を5段から6.5段に強化し、S1Hの動画用補正アルゴリズムに進化

センサーシフト方式の5軸ボディ内手ブレ補正(B.I.S.)は、従来機GH5の5段よりも強力な6.5段の補正効果を実現。また、レンズ内手ブレ補正(O.I.S.)を搭載したLUMIX Gシリーズレンズを使用することで、B.I.S.と2軸のレンズ内手ブレ補正と協調する「Dual I.S. 2」により、望遠域までシャッター速度最大6.5段分の手ブレ補正効果をキープすることが可能。新たにフルサイズミラーレス一眼カメラ「DC-S1H」で採用した最新の動画用手ブレ補正アルゴリズムを搭載し、映像撮影時に自然で違和感のない手ブレ補正を行う。

静止画から動画まで統一した色設定が可能な10のカラーと4つのモノクロームのモードを搭載。L.クラシックネオ、L.モノクロームS、シネライクD2、シネライクV2、フラットなどのフォトスタイルを搭載し、映像ルックの幅を広げる。

4K30pやCinema4K24p 4:2:2 10bit記録に加え、新たにCinema4K60p 10bit記録や、Cinema4K30p 4:2:2 10bit記録に対応した。従来の4K60p 8bit記録に比べ約64倍の情報量を持つ10bit記録は、グラデーションや微妙なニュアンスの階調を得られるので、編集やグレーディングの自由度を向上さる。また、Cinema4K30p 4:2:2 10bit記録時にはALL-Intraに対応し、最大400 Mbpsの高ビットレート記録が可能。また4:3アスペクトのアナモフィックレンズにも対応。4Kアナモフィック動画に加え、6K動画と同等程度の画素数を持つ高解像アナモフィックモード(4992×3744)にも対応する。

カメラ内で10bitのLog撮影に対応。V-Log L撮影時に、LUT適用後の映像を外部モニターに表示する「V-Log Lビューアシスト機能」で仕上がり時のルックを確認可能。またV-Log Lに対応したLUMIX Gシリーズ、V-Logに対応した同社製シネマカメラ「VARICAM」や、フルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S」シリーズで撮影した動画と組み合わせて、一貫した画作りの映像編集が可能となる。

Cinema4K、4K、アナモフィック4K、FHD記録の記録モードで、スローモーションやクイックモーションでの再生が可能なバリアブルフレームレートを搭載。記録するフレームレートを基準より高くすることで(オーバークランク撮影)、再生時にはスロー映像になり、被写体の動きをより印象づけることができるという。また記録フレームレートを基準より低くすることで(アンダークランク撮影)、再生時にはクイック効果が得られて、メリハリのある映像表現が可能となる。

新たに、S1Hから以下の撮影アシスト機能を継承している。

  • 撮影画面に動画記録中であることを示す動画記録中の赤枠表示
  • 撮影中に完成形をイメージできるフレーム表示
  • 動画撮影に便利な豊富なアシスト機能
    ゼブラパターン/シンクロスキャン/ヒストグラム表示/カラーバー表示/WFM/ベクトルスコープ表示/スポット輝度メーター/輝度レベル設定/タイムコード

撮影用途に合わせて2基のカードスロットを搭載。容量がいっぱいになった際に1枚目から2枚目のSDメモリーカードへスイッチする「リレー記録」、2つのSDメモリーカードで同時に記録する「バックアップ記録」等の設定が可能。SDメモリーカードは、UHS-II Video Speed Class 90に対応する。

LUMIX Gシリーズの対応レンズを装着することで、フォーカスリング操作の回転速度に対して移動量可変でピントを移動する「ノンリニア方式」か、回転量に対して移動量固定でピントを移動する「リニア方式」に切り替えることができる。加えて、リニア方式においては、任意の回転角を選択することができ、撮影者の意図に沿ったピント送りをサポートするという。リニア/ノンリニア設定は、対応するレンズのファームウェアアップデートが必要(ファームウェアは6月8日公開予定)。