米NBCスポーツグループの一部門であるNBCオリンピックによると、2021年7月23日から8月8日まで日本・東京で開催される第32回オリンピック競技大会の制作のために、ソニー・エレクトロニクスを放送・制作機材の提供先に選定したという。同発表は、NBCスポーツグループ&オリンピック部門のCTO兼SVPであるDavid Mazza氏と、ソニーエレクトロニクスのメディアソリューション部門のVice PresidentであるJohn Studdert氏によって行われた。
NBCオリンピックのクルーは、約100台のソニー製カメラを使用して、イベント会場の映像を撮影し、選手のインタビューや記者会見を記録するほか、スタジオやポータブルでの記録・撮影を必要とする業務に従事するという。
HDC-3500をはじめとするソニーのカメラの一部はIP対応の伝送で使用され、残りはSDIで運用される。また、ソニーの4K HDR対応のスタジオカメラHDC-5500やHDC-3500、スローモーションリプレイ用の高フレームレートカメラ、XDCAMカムコーダーPXW-Z750、PXW-Z450、PXW-X400、PXW-Z280などを使用するとしている。
NBCオリンピックでは、フラッグシップモデルの4K/3G/HD IP対応スイッチャー「XVS-9000」をはじめ、IPおよびSDIベースの制作用に設計された4K/3G/HDビデオスイッチャー「XVS-8000」「XVS-6000」など、ソニーのプロダクションスイッチャーの複数モデルを使用。これらのスイッチャーの多くはIPベースの環境で使用され、いくつかのスイッチャーは1080PのHDR制作用に指定されているという。
これらのスイッチャーは、各競技会場からNBCオリンピックの国際放送センター内にあるNBCオリンピックの制作施設へのフィードや、NBCユニバーサルの様々なネットワークやプラットフォームでのHDケーブル放送へのフィードを処理する。またNBCオリンピックでは、重要な映像評価用の4Kマスターモニターや、撮影現場やロケ地でのモニタリング用のTRIMASTER EL OLED/4Kモニターシリーズなど、数百台のソニー製モニターを使用するという。
Mazza氏とStuddert氏は次のようにコメントしている。
Mazza氏:東京オリンピックに向けて、NBCオリンピックはシステムのIP化、フルHD/4K/HDRのコンテンツ制作ワークフローなどを含めた新しい世代のインフラを構築することを検討してきました。ソニーは、最新機器を提供し、最高の画質と信頼性を維持しながら、これらのプロセスを可能な限り効率的に実行する方法について貢献してくれました。
Studdert氏:リモート映像制作の重要性が増していると捉えており、前例のない東京オリンピック中継にこの技術は不可欠です。NBCオリンピックの制作チームは最新のIP互換技術、HDRおよび4K対応技術を活用して大会を撮影・制作することで、今夏の中継がダイナミックかつ没入感のあるものになることをサポートするとともに、複数のプラットフォームを通じた視聴者とのつながりを強化します。