DaVinci Resolve Studio製品事例:トーンズ・アンド・アイのMV「Won’t Sleep」の場合

Blackmagic Designによると、シンガーソングライターであるトーンズ・アンド・アイ「Won’t Sleep」のミュージックビデオを、オーストラリアのVisible Studiosが、DaVinci Resolve Studioを使用して編集およびグレーディングしたという。DaVinci Resolve Studioのエディット/カット/カラーページと、DaVinci Resolve Speed Editorを組み合わせて使用し、複雑なポストプロダクション工程を1週間以内で仕上げた。

以前にもトーンズ・アンド・アイのミュージックビデオを手掛けたVisible Studiosが、制作とポストプロダクションを担当。2人の少女が森の中の不気味な家を見つけ、恐ろしいパーティに迷い込むというストーリーで、90人のダンサーと36人のメイクアップアーティストが参加した。

Visible Studiosのプロデューサーであるティモシー・ホワイティング氏は、次のようにコメントしている。

このビデオは、ティム・バートン監督、ロッキー・ホラー・ショー、そしてムーラン・ルージュからインスピレーションを得ており、映画「マチルダ」のビジュアルをヒントにしています。内容が盛りだくさんですが、DaVinci Resolve Studioを使用することでまとめることができました。

DaVinci Resolve Studio製品事例:トーンズ・アンド・アイのMV「Won’t Sleep」の場合

同ビデオでは、ルックと雰囲気が次々と変化する。冒頭、ふたりの少女が夜の森を歩くシネマライクで自然なシーンが映し出され、そこから迫り来る暗い影、家の中の赤い照明、パーティーシーンとコントラストを描く不気味な黒い虚空、突発的な動きをするカメラワーク、ドラマチックな照明効果など、畳みかけるように繰り広げられる。

私たちは、トーンズやメイクアップチーフのダニエル・ルース、アートディレクターのビアンカ・ミラーニと緊密に協力し合って、すべての異なるルックを制作しました。これは本当の意味での共同作業で、素晴らしいアイデアをポスプロでまとめられました。

メインとなるパーティーのシーンは、不気味な要素があり、恐ろしいけれども楽しい家の雰囲気、そして比較的受け入れやすい雰囲気にしようと思っていたのです。出演者たちのメイクがよく見えるよう、濃い赤を照明効果と共に使用する必要があります。また、家の中にたくさんの人がいて様々な動きをしていることや、独特のメイク、ダイナミックのカメラワークなどが非常に重要でした。

パーティー会場でのモンスターたちのクローズアップや、少女たちの主観ショットでは、DaVinci Resolve StudioのズームブラーエフェクトとDaVinci Resolve Speed Editorを活用したという。

DaVinci Resolve Studio製品事例:トーンズ・アンド・アイのMV「Won’t Sleep」の場合

パーティーの場面では、モンスターたちのクローズアップにズームブラーエフェクトを多用して、少女たちの主観ショットを強調しました。撮影にはおよそ2日かかり、膨大なフッテージを撮影しました。納期が厳しかったので、フッテージをすばやく確認する時に、DaVinci Resolve Speed Editorは本当に便利でした。

また、DaVinci Resolve Studioのパッチツールを使用して、出口のサインや煙探知機を映像から取り除き、出力ブランキング機能を使用して家の中と外のアスペクトレシオを変換し、カラーワーパーを使用して森を銀色がかったルックにしました。さらに、ホラー映像にとって重要なことですが、パッチツールを使って煙が足りない場所に煙を複製し、煙が充満しているようにしたのです。

DaVinci Resolve Studio製品事例:トーンズ・アンド・アイのMV「Won’t Sleep」の場合

同ミュージックビデオのポストプロダクションで難しかったことは、映像の管理とグレーディングだった。狭い場所に、特殊メイクをした人がひしめきあっている映像だ。DaVinci Resolve Studioは、編集/グレーディング/Fusion VFXツールを単一のアプリで使用できる上、コラボレーション・ツールにより、全体的なプロセスを効率化できる。

DaVinci Resolve Studioは、編集/カラー/VFXの作業を同じ場所で実行できるので、全体的な作業効率がアップします。様々なセットアップで撮影したこともあり、フィードバックを待つ間にグレーディングを開始できたので、早い段階でルックを確立でき、最後に慌てずに済みました。

撮影では常に何か不要なものが映り込んでしまいますが、ポスプロで取り除いたり、クロップしたり、エフェクトを加えることで修正します。DaVinci Resolve Studioでは、いつでも気付いた時に、その都度変更を加えることができます。他の部署に影響を与えたり、コンフォームで変更が飛んでしまうという心配はありません。