Blackmagic Designによると、米国のバンド・Kunziteのミュージックビデオ「Frosty」の撮影にURSA Mini Pro 12KおよびPocket Cinema Camera 6K Proデジタルフィルムカメラが使用されたという。DaVinci Resolve StudioおよびDaVinci Resolve Speed Editorも、ポストプロダクションにおいてフッテージの整理およびカラーグレーディングに使用された。
Kunziteは、バンド・Ratatatのプロデューサー/マルチ・プレーヤーのマイク・ストラウドと、バンド・White Flightのアグスティン・ホワイトによる音楽コラボレーション。
同ミュージックビデオは、プリースト・フォンティーン・バテン氏がディレクター兼共同プロデューサー、ミア・ウッドラフ氏とホワイト氏が共同プロデューサー、バテン氏が撮影監督を務め、ジョーイ・"ブレード"・グラツィアーノ氏がローラーブレードでのカメラ撮影、バテン氏、ホワイト氏、映像作家のトリスタン・シーニウク氏がポストプロダクションを手掛けた。
カリフォルニア州の著名なベニスビーチで撮影された同作は、女性サーファーと、女性により立ち上げられたオープンなスケートボーダー共同体であるGRLSWIRLのアスリートを含む、女性スケートボーダーをメインとしている。
パテン氏: 各出演者の真の個性と、アスリートのスキルを紹介したいと考えていました。各アスリート独自の動きが個性的で素晴らしいので、楽曲のそれぞれの箇所と動きのエネルギーをマッチさせたいと思いました。
バテン氏とグラツィアーノ氏はベニスビーチ・スケートパークでの撮影で、2台のURSA Mini Pro 12Kをメインに、1台のPocket Cinema Camera 6K Proを使用した。Pocket Cinema Camera 6K Proは可能な限りシンプルにして機動性が高められた。また内蔵NDフィルターにより、撮影中にすばやく簡単に光量を調整できたという。
バテン氏:楽曲はユニークな箇所や変化に満ちているので、編集におもしろみを加えるために、様々な動きやアングル、フレームレートを使用しました。そういった面で、URSA Mini Pro 12Kの解像度とフレームレートのオプションは素晴らしいですね。解像度が高いので、ポストプロダクションでリフレームやクロップ、スタビライズを実行できただけでなく、ズームも追加できたのです。
また、手頃な価格のカメラを複数使用したので、撮影で高フレームレートを試すことができました。URSA Mini Pro 12Kでは240fpsの4Kというとてつもない設定で撮影でき、非常に美しいショットが得られます。一部のショットは、ジョーイが24fpsまたは48fpsで撮影し、私が120~240fpsで実験的なショットを撮影しました。
低価格のシネマカメラを使用する利点は、2台目や3台目のカメラを撮影に使用できることです。各アスリートに費やせる時間が限られていたので、2台で撮影できたことには助けられました。
パテン氏:何年にも亘ってBlackmagic Designのカラーサイエンスを愛用しているのですが、新世代のこのセンサーはさらに良くなりましたね。URSA Mini Pro 12Kでは、非常に美しいフィルムルックが得られます。
またカメラはPLマウントを搭載しているので、古いスーパー16レンズをアダプターを使用せずに装着して、4Kや6Kを撮影できます。本作ではレトロなフィルムのようなルックを目指していたので、これは大きなボーナスでした。DaVinci Resolve Studioを使用したカラーグレーディングで、トリスタンがそのルックをさらに微調整しました。
シーニウク氏によると、典型的な南カリフォルニアの空気感を創り出すように作業したという。
シーニウク氏:日中の直射日光の下で撮影したので、DaVinci Resolve StudioのHDRカラーホイールは、ハイライトとシャドウのリカバリーに大変役立ちました。
カットページのソーステープ機能を使用したのは今回が初めてだったのですが、数日分のフッテージを極めて高速に扱えます。これは、DaVinci Resolve Speed Editorを使用するとさらに高速化できました。サーチダイヤルは超高精度で、ボタンは直感的に使用できます。
しかし、最大の利点は大きな編集デスクを使用せずに作業ができたことでした。膝の上にDaVinci Resolve Speed Editorを置いて、ラップトップでフッテージを確認しながら、使用するカットを選択できるのは素晴らしいですね。