アップル、新チップ「M1 Pro」と「M1 Max」を発表。プロユースに応えるハイスペックCPU・GPU、64GBユニファイドメモリを搭載。ProResの高速化、高電力効率を実現

アップルは新しいチップで「M1 Pro」と「M1 Max」を発表した。 同時に発表された新型MacBook Proに搭載される2種の同チップは、プロユーザーを意識して機能設計されたという。

M1 ProとM1 MaxのCPUは、Xcodeでのプロジェクトのコンパイルのようなタスクにおいて、 M1 ProのGPUはM1よりも最大2倍の速さに、M1 MaxはM1の最大4倍の速さになり、 負荷の高いグラフィックスワークフローをすばやく処理できるとしている。

プロ向けのシステムでは初めて、システムオンチップ(SoC)を採用。 高速ユニファイドメモリ、業界をリードするワット当たりのパフォーマンス、高い電力効率、増加したメモリ帯域幅と容量を備える。

M1 Proは最大200GB/sのメモリ帯域幅を提供し、最大32GBのユニファイドメモリに対応。 M1 Maxは、M1 Proの2倍、M1のほぼ6倍となる、最大400GB/sのメモリ帯域幅を提供し、最大64GBのユニファイドメモリに対応している。

また、MacBook Proが電源の接続/非接続にかかわらず、同じレベルのパフォーマンスを実現。

さらに、M1 ProとM1 Maxは、プロのビデオ処理に特化した専用のProResアクセラレータによって強化されたメディアエンジンも搭載している。

アップル、新チップ「M1 Pro」と「M1 Max」を発表。プロユースに応えるハイスペックCPU・GPU、64GBユニファイドメモリを搭載。ProResの高速化、高電力効率を実現

各チップの主な特長・仕様

M1 Pro

M1 Proは、8つの高性能コアと2つの高効率コアから成る新しい10コアCPU。 M1よりも最大70パーセント高速になる。 高解像度の写真編集のような高負荷のタスクも得意とする。

また、最大16コアのGPUを搭載。 Windowsノートパソコン用ディスクリートGPUと比較して、最大70パーセントも省電力化できる。 さらに、M1 Proは最大32GBの高速ユニファイドメモリで構成可能となっている。

アップル、新チップ「M1 Pro」と「M1 Max」を発表。プロユースに応えるハイスペックCPU・GPU、64GBユニファイドメモリを搭載。ProResの高速化、高電力効率を実現

M1 Max

M1 Maxは、10コアCPUに加えて32コアのGPUを搭載。 グラフィックスパフォーマンスはM1よりも最大4倍高速となる。

GPUは、プロ仕様Windowsノートパソコン用ハイエンドGPUと比較して、同等のパフォーマンスを最大40パーセント少ない電力で発揮、最大100ワット少ない電力で実現できる。 Final Cut Proでの複雑なタイムラインのレンダリングは、前世代の13インチMacBook Proと比較して最大13倍高速となる。

また、M1 Maxは、より広い帯域幅のオンチップファブリックを提供。 メモリインターフェイス幅は、M1 Proと比較して2倍の最大400GB/s。 この値はM1のメモリ帯域幅の約6倍に相当し、M1 Maxは最大64GBの高速ユニファイドメモリで構成可能となっている。

アップル、新チップ「M1 Pro」と「M1 Max」を発表。プロユースに応えるハイスペックCPU・GPU、64GBユニファイドメモリを搭載。ProResの高速化、高電力効率を実現

ProResの高速化

バッテリー駆動時間を最大化しながらビデオ処理を高速化する、メディアエンジンを搭載。

M1 ProはProResのプロ向けビデオコーデックのために専用の高速化機能を備え、省電力で複数の4Kと8KのProResビデオストリームを再生できるようになっている。

M1 Maxは、M1 Proよりも最大2倍高速のビデオエンコーディングを実現し、2つのProResアクセラレータを搭載。 M1 Max搭載の新型MacBook Proでは、前世代の16インチMacBook Proと比較して最大10倍の速さで、Compressorを使ったProResビデオのトランスコードができるようになる。

高い電力効率を実現

両チップは、デバイス上の機械学習を高速化し、カメラのパフォーマンスを向上させる16コアNeural Engineを搭載している。 新しいディスプレイエンジンは、複数の外付けディスプレイを動作させる。

内蔵のThunderbolt 4コントローラが、より広い入出力帯域幅を提供する。 アップルのカスタム画像信号プロセッサは、内蔵カメラでビデオがより鮮明かつスキントーンが自然になるように、コンピュテーショナルビデオを使用して画質を向上させる。 両チップには、Secure Enclave、ハードウェア検証によるセキュアブート、ランタイムのエクスプロイト対策技術など、ハイクラスのセキュリティが搭載されている。

アップルのハードウェアテクノロジー担当シニアバイスプレジデントであるジョニー・スルージ氏は次のようにコメントしている。

M1は、驚異的なパフォーマンス、カスタムテクノロジー、業界をリードする電力効率により、私たちの最も人気のシステムを一変させました。

M1 ProとM1 Maxが本日登場するまで、誰もプロ向けシステムにシステムオンチップ設計を採用しませんでした。 大幅に向上したCPUとGPUパフォーマンス、最大6倍のメモリ帯域幅、ProResアクセラレータを搭載した新しいメディアエンジン、その他の先進的なテクノロジーによって、M1 ProとM1 Maxは、アップルシリコンをさらに進化させ、ほかのどんなプロ仕様ノートブックとも異なります。