パナソニック株式会社およびトライアンフ株式会社によると、2021年12月11~12日、静岡県「富士スピードウェイ」で開催されたモータースポーツの大会「インタープロトシリーズ」にて「KAIROSクラウドサービス」によるレース中継のライブ配信の実証に成功したという。
「インタープロトシリーズ」は、日本を代表するトップドライバーたちが同じ車に乗り、フェアな環境でドライビングスキルだけでバトルを行う大会。ライバルと競い合う迫力や臨場感を映像で伝えるためには、従来のレース会場に常設されている定点カメラに加え、様々な視点からの映像シーンが求められる。
しかし、レース会場のような大規模な屋外施設では、カメラの配線引き回しや高額な中継車利用等、限られた時間内での準備や、コスト面で導入が困難であった。そこで、今回の実証実験では、カメラ映像の無線伝送技術と、KAIROSクラウドサービスの組み合わせにより、最小限の機材とリソースで、臨場感あるレースのライブ配信に成功したという。
ドライバーの競い合いで順位変動の多いコーナーにパナソニック製カメラレコーダー「AG-CX350」x2台設置し、ドライバーの視点をリアルに体験できるようレーシングカーにカメラ1台を搭載。それらのカメラ映像は映像伝送機器「LiveU Solo」を用いた無線伝送で、KAIROSクラウドサービスに直接ストリーミング入力。大掛かりな受信機や配線準備なしで、臨場感ある安定した映像配信を実現。
映像配信の事前準備やスイッチング操作は、KAIROSクラウドサービス環境にアクセスすることで、汎用のノートPCを使用し、1人のオペレーターのみで可能。ノートPCにインストールされたGUIソフトウェア「KAIROS Creator」は、カメラ映像や画像を多レイヤーで組み合わせるなど、直感的なUIで自由にカスタマイズすることができるため、順位表の画のトリミングやサイズ変更、またカメラ映像と重ね合わせた表示の画作りなど、事前準備も容易に行えたとのこと。
また、今まではシナリオに沿った配信のみだったが、KAIROSクラウドサービスを用いることで、演出の追加など配信直前の変更にも柔軟に対応でき、実況やレース状況に合わせたリアルタイムで臨場感あるライブ配信を視聴者に届けることができたという。