株式会社電通クリエーティブXの発表は、株式会社東北新社、ヒビノ株式会社、株式会社電通クリエーティブキューブと4社で推進する共同プロジェクト「メタバース プロダクション」のWebサイトを3月31日に公開し、映像制作ワークフローにおける温室効果ガス削減とプロセス効率化を実現する3つのPXサービスを提供開始する。PXはProduction Transformationの略で、映像制作トランスフォーメーションを意味する造語。
公式Webサイトでは、メタバース プロダクションのデモ映像をはじめ、各PXサービスの詳細やstudio PXについて紹介している。今後は、メタバース プロダクションの最新ニュースのほか、PXサービスによる撮影事例、新しいCG背景素材、新スタジオの開設情報などを随時追加していくとしている。
PXサービスの充実はもちろん、様々なニーズに対応する"PXサービス"の開発・提供に注力し、リーズナブルな予算での映像制作からハイエンド案件まで幅広く利用されるよう新しい映像制作の在り方を提示し、「メタバース プロダクション」の取り組みが将来のスタンダードになるよう努めていくという。
PXサービスとは
環境への配慮から制作・撮影スタッフの働き方までを変革する、テクノロジーを活用した映像制作の新たな選択肢となるサービスの総称。高精細LEDディスプレイ、カメラトラッキング、リアルタイムレンダリングを組み合わせ撮影するバーチャルプロダクション技術「インカメラVFX撮影システム」を駆使することで、東北新社と電通クリエーティブXにおける従来型の映像制作ワークフローと比較し、「スタジオ撮影時の廃棄資材を最大90%削減」と「ロケーション撮影時の参加人員を最大50%削減」などを目指すという。リーズナブルな予算での映像制作からハイエンド案件まで幅広い対応が可能だとしている。
PXサービス 1:Owned Virtual Set/Location(オウンドバーチャルセット/ロケーション)
CG美術セット/ロケーションをオーダーメイドで制作するサービス。これまで1回限り使用していた美術セットを、CGかつオーダーメイドで制作するため、広告主所有のバーチャル素材として繰り返し使用することが可能。リアルな美術セットを用いて撮影する従来の手法と比べ、撮影廃棄物量、スタッフ工数、美術費の大幅な削減が期待できるとしている。
PXサービス 2:実写ロケーションVFX
あらかじめ別撮りした実写背景をスタジオのLEDディスプレイに投影・撮影することで、まるでロケ地で撮影しているかのようなスタジオ撮影を実現する。LED映像の光を人物ライティングに利用するため、被写体への光が馴染みやすく、映像にリアルな質感をもたらすという。
PXサービス 3:Virtual House Studio(バーチャルハウススタジオ)
あらかじめ用意されたテンプレートCG素材から選択し、若干のカスタマイズをして使用できるバーチャル上のハウススタジオ。壁色や小道具などのカスタマイズも可能。テンプレートCG素材は随時追加する予定だという。
Virtual House Studio CG背景テンプレート素材例
Virtual House Studio(A)ステージ
Virtual House Studio(B)ステージ