Blackmagic Designは、高性能なネットワークストレージソリューション「Blackmagic Cloud Store」を2022年の第2四半期より発売する。ラインナップと価格は以下の通り。
- Blackmagic Cloud Store 80TB:税込3,748,800円
※2022年4月22日追記:為替レート変動の影響により、メーカー希望小売価格に変更あり。新価格は税込4,122,800円
- Blackmagic Cloud Store 320TB:受注生産
Blackmagic Cloud Storeは、あらゆる用途に適したネットワークストレージ・ソリューション。映画/テレビの編集、カラーコレクション、オーディオポスト、VFXなどで、大容量のメディアファイルを複数のユーザーで共有する必要がある場合に最適としている。12KのBlackmagic RAWデジタルシネマファイルも扱える。ユーザーは遅延ゼロでファイルにアクセスでき、ローカルコンピューターにファイルを保存する必要はなく、DaVinci Resolveにも最適なソリューションとしている。
IT業界で使用されるストレージ製品は、一般的にラックマウント型で冷却ファンの音が大きいが、Blackmagic Cloud Storeはこれらの製品とは一線を画した縦長のデザインとなっており、ポータブルに使用可能。静音性にも優れているため、ロケ先でも使用できるという。内部ではフラッシュメモリーカードが並列に動作して、高速処理とデータ保護を実現。4つの10Gイーサネットポートはスイッチのように機能し、4台のコンピューターに接続可能。あるいは、「リンクアグリゲーション」で連携させて、高速の40Gのイーサネット速度に対応できる。また、HDMIモニタリング出力も搭載されているので、ストレージのライブグラフィック・ビューをテレビやモニターで確認できるという。
Blackmagic Cloud Storeは、20TB、80TB、320TBのモデルを取り揃えており、大容量のストレージスペースにビジネス用のファイルやビデオメディアを保存できる。M.2フラッシュメモリーカードにより、非常に高い信頼性、高速アクセス、ゼロシークタイムを実現。M.2カードがRAID 5グループに並列に配置されているので、1枚のカードを使用するよりも遥かに高速に処理できる。これにより、高速処理と耐障害性を実現できるという。
Blackmagic Cloud Storeは、独立した4つの超高速10Gイーサネット接続を搭載しており、非常に高速としている。内蔵のメモリーコアは、4つ全ての10Gイーサネットポートが、理論上の最大速度を同時に満たすように設計されている。最高速度で処理している場合でも、Blackmagic Cloud Storeは非常に静かで、冷却ファンの音もほとんど聞こえないという。大容量の12KデジタルフィルムのRAWファイルを編集している場合も同様であり、デジタルフィルムカメラの膨大なファイルを使用したマルチカム編集もスムーズに行うことができるという。
Dropboxファイル用のローカルキャッシュ設定も可能。ファイルをインターネットからロードする必要がなく、瞬時に使用できるため、作業スピードの大幅な向上を実現できるという。Blackmagic Cloud Storeは、常に同期を保ちながら動作する。また、キャッシュしたDropboxファイルをBlackmagic Cloud Storeに移動することで、コンピューターのスペースを節約でき、ローカルネットワーク上の誰もがファイルにアクセスできるという。Dropbox経由で、複数のBlackmagic Cloud Storeを同期することも可能。全員がファイルのローカルコピーを使用できるので、世界各地の人々と遅延なしでコラボレーションできる。Dropboxは、優れたバックアップ・ソリューションでもあるという。
最も大きな機能はHDMIモニタリング出力としている。テレビやモニターに接続するだけで、Blackmagic Cloud Storeの状況をライブで確認できる。ストレージマップには、メモリーコアがグラフィックで表示され、接続中のユーザーによる読み取りおよび書き出しを確認できる。4つのメインの10Gイーサネット接続上のデータ転送を確認できるグラフも4つ表示される。メインスペースのインジケーターには、メモリーコアの容量と現在の使用量が表示され、Dropbox接続の状況も表示される。接続しているユーザーや、電源状況の確認も可能だという。
Blackmagic Cloud Storeは、高価なコンピューターに搭載されている高速10Gイーサネットを4つ搭載。Blackmagic Cloud Storeは非常に高速で、各10Gイーサネットポートの処理能力を最大限に使用できるという。イーサネットスイッチを内蔵しているため、各ポートを別々のコンピューターに接続したり、連携させて40Gイーサネットとして使用できる。さらに2つの1Gイーサネットポートが搭載されているので、高速のコンピューター用に10Gイーサネットポートを空けておけるという。
最新のラップトップコンピューターは薄型で、イーサネット接続が付いていないものも多くなっているが、Blackmagic Cloud Storeは、USB-C/イーサネットのアダプターを内蔵しており、コンピューターをCloud StoreのUSB-Cポートに接続するだけで使用可能。緊急でファイルが必要な場合でも、接続するだけでファイルを得られるという。
Blackmagic Cloud Storeの2つのUSB-Cポートは、ファイルのロードおよびバックアップに使用可能。メディアカードリーダーやUSB-Cディスクをインジェストポートに接続すると、ディスク上の全てのファイルがCloud Storeにロードされる。また、Dropboxも優れたバックアップ・ソリューションであり、USBディスクをバックアップポートに接続するだけで、継続的な費用をかけず、プライバシーを完全に守りながらローカルバックアップを行える。単一のUSB-Cディスク、あるいは大容量のUSB-Cディスクアレイを使用可能だという。
Blackmagic Cloud Storeの大きな利点のひとつは、完全なコントロールが可能なプライベートなストレージを使用できることであるとしている。サブスクリプション契約の必要はなく、月々の費用もかからず、使用内容やデータをトラッキングされることもないという。インターネット回線から完全に切り離されたプライベートなネットワークを使用可能としている。Blackmagic Cloud Storeでは、自由にエンタープライズレベルの性能を使用できるとしている。
設定を変更する必要がある場合は、MacおよびWindowsに対応したBlackmagic Cloud Storeユーティリティを使用する。また、ユーティリティでは、Dropboxの同期フォルダーを追加することも可能としている。
Blackmagic Design CEO、グラント・ペティは次のようにコメントしている。
新製品、Blackmagic Cloud Storeは画期的な製品です。市場のストレージソリューションは、ハイエンドの長編映画やテレビ業界のニーズを満たす性能ではなく、私たちは不満を持っていました。この新製品の登場により、エディター、カラリスト、VFXアーティスト、オーディオエンジニアたちは、DaVinci Resolveの同じプロジェクトで同時に作業できるようになります!