Blackmagic Designによると、数多くのテレビ番組を手がける技術プロダクション、株式会社ヌーベルバーグが配信スタジオ「n00b.st」を渋谷に新設し、4台のBlackmagic URSA Broadcast G2やBlackmagic Studio Camera 4K Proを含む、多数のBlackmagic Design製品を導入したという。
同施設は大型LEDディスプレイを設置し、インカメラVFXでのバーチャルプロダクションやIP伝送によるリモートプロダクションが可能となっている。ヌーベルバーグはテレビ番組の生放送やスタジオ収録、ロケ番組などに技術派遣を行っており、現在イベント系の配信も数多く手がけている。
今回、同社が渋谷に新設した配信スタジオは、バーチャルプロダクションが可能なStudio 1とグリーンバック専用のStudio 2からなる。カメラおよびカメラ周辺機器以外の機材は各スタジオに備わったサブコントロール室やメインの機材室で管理、操作ができるようになっている。
同社では年々配信の仕事が増えており、配信スタジオの需要が高まったのを機にn00b.stの設立を企画した。同社代表取締役副社長の池田正義氏は次のようにコメントしている。
池田氏：企画当初はもっとシンプルなスタジオを考えていましたが、今後、観客をスタジオ内に入れる可能性も考慮すると、グリーンバックのスタジオでは観客を入れられません。その点、XRスタジオであれば観客を入れた状態でも成立しますし、配信ではもっと煌びやかに見えます。XRの技術を使うことで、今まで以上にさまざまな演出を行うことも可能になります。また、中継車を必要としないリモートプロダクションも可能なスタジオに設計しています。
同スタジオでは、インターネットテレビ番組の配信イベントや、企業の社内イベント、子供向け番組などさまざまな用途で使用されている。
池田氏：XRを使ったバーチャルプロダクションにより、スタジオに照明や美術セットを組む代わりにCGを使った演出でコストを抑えることができます。そういったところをメリットとしてご利用いただく方が多いです。
最新のテクノロジーを搭載した同スタジオでは、数多くのBlackmagic Design製品が導入されている。バーチャルプロダクションが可能なStudio 1には4台のURSA Broadcast G2およびURSA Studio ViewFinder G2、Blackmagic Camera Fiber ConverterとStudio Fiber Converter、そしてサブコントロール室からカメラの調整をするためのATEM Camera Control Panelが設置されている。
またStudio 2では、4台のBlackmagic Studio Camera 4K Proに三脚からレンズのフォーカスやズームが調整できるBlackmagic Zoom DemandおよびFocus Demandが導入されており、ATEM Television Studio Pro 4Kスイッチャー、ATEM Camera Control Panel、ATEM Studio Converterがサブコントロール室で使用されている。
池田氏：当初の企画からかなり大掛かりなスタジオになってしまい、予算もかなり膨らんでいきました。そのため、カメラの選定に関しては品質と価格を考慮してBlackmagic Design一択でした。
また、以前アイドルのライブコンサートをBlackmagic Design製品で構成したワークフローで配信したことがありました。カメラのモデルは違っていても、Blackmagic Designのカメラは使い方がほとんど共通していて、使い慣れていたことも選定の理由です。
Studio 2は完全にグリーンバック用のスタジオで、出演者が基本的に座ったままでゲームの実況解説するような用途が多いため、定点カメラとしてシンプルで使いやすいカメラを探していました。Studio Camera 4K ProはLANケーブル一本で接続できて、操作もシンプルだったので導入しました。
スイッチャーに関しては、Television Studio Pro 4Kを昨年のフジロックフェスティバルの配信で使用していて、その時に3台購入したものの1台をこちらのスタジオに移設しました。スイッチャーやカメラコントロールなど、普段からよく使っていたBlackmagic Design製品を導入したので、スムーズにスタジオの運営ができています。
このスタジオにくるお客様は、放送クオリティは保ちながら、より安くサービスを利用したい方が多いのでBlackmagic Designの製品は、そういったニーズに応えるスタジオ作りに寄与しています。
