Blackmagic Designによると、撮影監督の今村圭佑氏が、ヒップホップアーティストC.O.S.Aのミュージックビデオ「Mikiura feat. KID FRESNO」の撮影にBlackmagic URSA Mini Pro 12Kを使用したという。
同作は三重県の三木浦漁港を舞台に、日の入りや夕景をメインに照明を使わずに撮影され、DaVinci Resolve Studioでグレーディングされた。
今村圭佑氏は、劇場映画、ドラマ、CM、ミュージックビデオなど、幅広いジャンルの作品で活躍する撮影監督。トップチャートを席巻するようなアーティストのミュージックビデオや大手企業のCMなどを数多く手掛けている。
今村氏が今回手掛けたのが、ヒップホップアーティストのC.O.S.AがKID FRESNOとタッグを組んで完成した「Mikiura」のミュージックビデオだ。タイトルにもなっている三重県の三木浦町を舞台に、混沌とした現在から未来へ向けたメッセージのような楽曲で、撮影も三木浦町の漁港で行われた。今村氏は次のようにコメントしている。
今村氏:いわゆるヒップホップのミュージックビデオというスタイルではなく、三木浦というC.O.S.Aさんにとって思い出の場所にKID FRESNOと一緒に行って、その二人をドキュメンタリー的に撮るというのが企画でした。
撮影はBlackmagic URSA Mini Pro12Kが1台のみ、しかもハンドヘルドで照明もないという非常にシンプルなものだったという。
今村氏:足場が悪くて、立てるとこもかなり狭かったのですが、ドキュメンタリーっぽさを出したかったのでハンドヘルドで撮影しました。撮影自体は日の出から日の入りまで一日かけて行いましたが、ノスタルジックな感じの方が曲に合うと思ったので、昼間はあまり撮影せずに朝と夕方を狙って撮りました。
同作はARTONE FILMでDaVinci Resolve Studioを使ってグレーディングされた。
今村氏:一番大事にしているのは撮影時のトーンで、現場では実現不可能だったことをグレーディングで実現するというのが基本です。現場で、このカメラで撮ったらグレーディングでどこまでできるかというのを計算しながら撮影しました。自然光だけでの撮影でしたが、グレーディングも問題なく思った通りのトーンが作れました。
今村氏は大学で映像を学んでいた頃からBlackmagicのカメラを使っていたという。
今村氏:大学生の頃に初代のBlackmagic Cinema CameraやBlackmagic Pocket Cinema Cameraが発売されたのでよく使っていましたね。当時、頑張れば自分でも買えて、いいトーンで撮れるカメラといえばBlackmagicでした。Blackmagicのカメラは独特のトーンがあります。
16mmフィルムのようなトーンで撮りたくてあえて初代の2.5Kモデルで撮影した映画もあります。Blackmagic URSA Mini Pro 12Kでもその独特のトーンはありますが、少し薄くなって洗練された感じがします。その分、作品やシーンによってBlackmagic URSA Mini Pro 12Kと古いモデルを使い分けていけると思います。
僕たち世代は、Blackmagicのカメラでめちゃくちゃクリエイティブしていました。その世代の底上げになったことは間違いないです。カメラもどんどんバージョンアップしていますが、今でも若い人たちに使える価格帯を維持しているのはすごいと思います。
若い世代が使うことによって、彼らがプロになった時にもBlackmagicのカメラを使うという流れは確実にあると思います。この作品の視聴者層も若い方が多いですが、そういう方々にもこのカメラの良さが伝わるといいなと思っています。