Blackmagic Designによると、長編インディーズ映画「Down with the King」の撮影にBlackmagic Pocket Cinema Camera 6Kが使用されたという。同作は、ほとんど自然光のみで撮影されたため、同カメラのデュアルネイティブISOが有効的に活用された。
同作は、グラミー賞ノミネート歴のあるラッパー、フレディ・ギブスが、有名なラッパーであるMoney Mercを主演として演じており、Money Mercが音楽業界に幻滅し、農業の盛んな小さな町で自分探しをする様子を描いている。監督にディエゴ・オンガロ氏を迎えた同作は、2015年のサンダンス映画祭でデビューを飾った同氏の「Bob and the Trees」の続編であり、カンヌ国際映画祭ACID部門で封切られた。
同作の制作はBreaker StudiosおよびInside Voicesが手掛けた。「Down with the King」は、名声高いDeauville American Film Festivalでグランプリを受賞しており、現在デジタルとオンデマンドで視聴できる。
シネマ・ベリテと、時にはドキュメンタリーの手法を組み合わせた同作の撮影には、主に自然光のみが使用され、同様の方法で夕暮れのシーンも多数撮影された。撮影監督のダニー・ベッキオーネ氏は次のようにコメントしている。
ベッキオーネ氏:スタイル的に、マジックアワーから20分が経過した黄昏時の撮影を好んで用いました。秋のマサチューセッツのザ・バークシャーズを舞台としているので、その時期の自然の美しさと、弱まっていく光を捉えたかったんです。ほとんどのシーンで自然光のみを使用したため、Blackmagic Pocket Cinema Camera 6KのデュアルネイティブISOとダイナミックレンジのおかげで、黄昏時の柔らかな光を活かした、優れたショットを多数撮影できました。
ベッキオーネ氏と第二カメラのオペレーターであるコナー・ローソン氏は、2台のBlackmagic Pocket Cinema Camera 6KにアナモルフィックレンズとBlackmagic Video Assist 7" 12G HDRモニター/レコーダーを取り付けて撮影に使用した。撮影にはBlackmagic RAWを使用していたので、暗いシーンのイメージをDaVinci Resolve Studioも使用してカラーコレクションすることで問題なく使用できると自信を持って撮影できたという。同作は、DaVinci Resolve Advanced Panelを用いて、Goldcrest Post NYのアレックス・バーマン氏によりグレーディングされた。
Blackmagic Pocket Cinema Camera 6Kは小型で、ハンドヘルドで使用できるため、ベッキオーネ氏は機敏に動き回ることができ、シーンの進行に合わせてすばやく対応できたという。プロと素人の俳優が入り混じっており、また、ほぼ全てハンドヘルドで撮影されたため、ありのままの姿を映し出した、ドキュメンタリーのような感覚を生み出すことができた。
オンガロ氏:思い描いていた方法で物語を伝えるためには、俳優たちに対して広くスペースを空け、スタッフの数を最低限に抑える必要がありました。
Blackmagic Pocket Cinema Camera 6Kを採用した理由は、アナモフィックを使用して、少ないスタッフ数で柔軟に撮影できるからです。他のセットアップを使用していたら、同じ雰囲気を生み出すことは不可能だったでしょう。他のカメラでは、より多くのスタッフが必要になるため、ダイナミクスが変わってしまっていたと思います。
カメラの後ろではなく前に、より多くの人々を配置することを希望していたので、Blackmagic Designのおかげで、それが実現できたことを大変喜ばしく思っています。