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© 2022 Disney

Blackmagic Designによると、ディズニーのバスケットボール映画「ライズ~コートに輝いた希望」が、シネマトグラファーのカベロ・タザ氏により、Blackmagic URSA Mini Pro 12Kデジタルフィルムカメラで撮影されたという。

アデトクンボ・ファミリーのストーリーのような物語を、視聴者はまだ見たことがない。ナイジェリアからギリシャに移住したチャールズ・アデトクンボ、ヴェラ・アデトクンボ夫妻(ダイオ・オケニイ、イエティド・バダキ演)は、強制送還の脅威に怯える日々を送りながらも、5人の子供たちを養い、生き延びるために奮闘していた。長男をナイジェリアの親戚の元に残していたアデトクンボ夫妻は、ギリシャの市民権を得ようと必死であったが、制度の壁にことごとく阻まれてしまう。

ヤニス(ウチェ・アガダ演)とタナシス(ラル・アガダ演)の兄弟は、家族と一緒にアテネの路上で観光客相手に物売りをする合間に、地元のユースチームでバスケットボールをしていた。それまで競技経験がなかった兄弟だが、バスケットコート内で自分たちの才能に気付き、世界に通用するアスリートになるために、もう一人の兄弟であるコスタス(ジェイデン・オシムワ演)と共に努力を重ねてきた。

エージェントの協力を得て、ヤニスは2013年のNBAドラフトに参加。これが彼と彼の家族全員の人生を変えることになる。昨シーズン、ヤニスとタナシスの2人は、ミルウォーキー・バックスに50年ぶりのチャンピオンリングをもたらすことに貢献し、一方コスタスは、その前のシーズンのチャンピオンであるロサンゼルス・レイカーズでプレーしていた。

「ライズ~コートに輝いた希望」には、ダイオ・オケニイ、イエティド・バダキ、マニシュ・ダヤル、テイラー・ニコルズ、ラル・アガダ、ウチェ・アガダらが出演している。アキン・オモトソ氏(「Vaya(原題)」)が監督、アラシュ・アメル氏(「プライベート・ウォー」)が脚本、バーニー・ゴールドマン氏(「300 スリーハンドレッド 帝国の進撃」)が制作。さらに、ヤニス・アデトクンボ氏とダニエル・S・ジョーンズ氏が制作総指揮として名を連ねている。

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ディズニーとオモトソ監督は、以前「Vaya」でオモトソ監督とタッグを組んだタザ氏を、撮影監督として今回のプロジェクトに引き入れた。タザ氏は次のようにコメントしている。

タザ氏:アキンと私は、すでに素晴らしい関係を築いていたので、彼が私をプッシュしてくれたんです。

古典映画のファンであるタザ氏は、複雑なカメラワークを好まない。

タザ氏:ストーリーから注意をそらすことは絶対にしたくないんです。私が目標とするのは、俳優の邪魔にならない美しい照明とフレーミングのショットです。

プロデューサーのダグ・ジョーンズに12Kを勧められました。彼は最近手がけた映画で12Kカメラを使用して、とても良かったらしいんです。最初の印象は、カラーサイエンスが驚くほど美しいということでした。全員が感動しましたね。

同作の撮影では、5台のURSA Mini Pro 12Kが現場で使用され、8KのBlackmagic RAWで、Blackmagic URSA Mini Recorderに収録された。タザ氏にとって、カラーサイエンスの鍵となるエレメントは、幅広いラティチュードに反応するセンサー性能であった。

タザ氏:12Kのダイナミックレンジは、シャドウ、ミッドトーン、ハイライト間で非常に上手くバランスが取れていました。これらは美しく融合していました。このことは私たちにとって好都合でした。野外の直射日光の下で撮影することが多かったので、シャドウとハイライトの絶妙なバランスが得られることは本当に嬉しかったですね。

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また、センサーが様々なスキントーンに反応することも同様に重要であった。

タザ氏:アキンと私は、黒い肌を撮影することの重要性についてよく話していました。私たちは、黒い肌をエアブラシで加工した雑誌のようなルックにするのではなく、黒い肌が黒く見えるようにして、行きすぎない敬意を示したいと思っていました。撮影に先駆けて何度もカメラテストを行いましたが、URSA Mini Pro 12Kのスキントーンは素晴らしかったですね。

撮影現場では、タザ氏はデジタルアセット管理(DAM)用のカートを使用した。このDAMカートは、移動式のポストプロダクション設備のような役割を果たしたため、ラボは必要なく、オンセットでデイリーを作成して編集チームに直接提供することができた。このシステムにより、撮影中にカメラからDaVinci Resolve Studioを通じて、グレーディング済みのイメージを確認することが可能となった。

タザ氏:カートの所へ行って、映像を使えるかどうかその場で確認できることは素晴らしかったですね。現場で撮影しながらグレーディングしているかのようで、非常に便利でした。どのような映像に仕上がるのかを把握したり、ルックに一貫性を持たせる上でとても助かりました。

発言の通り、タザ氏は複雑な撮影を避け、シンプルなシーンに美しさを見出した。

タザ氏:一連の雨のシーンには私にとって思い入れがあるシーンです。雨を降らせる装置は驚くほど大きなリグでした。コントラストの強い照明条件下で、URSA Mini Pro 12Kを使って印象的な画像をキャプチャーしました。兄弟が車を買って、ギリシャの海岸をドライブするシーンも気に入っています。とても美しいシーンですね。

ポストプロダクションには、グレーディングにDaVinci Resolve Studioが使用された。タザ氏は南アフリカにいて、ロサンゼルスのカラリストとリモートで作業したという。

タザ氏:グレーディングの過程は素晴らしかったですね。カメラとBlackmagic RAWで満足のいくラティチュードが得られ、希望通りのイメージに仕上げることができました。カメラのおかげで、スキントーンに関しては、ほとんど処理をしなくてすみました。URSA Mini Pro 12Kには本当に驚かされましたね。これからも使い続けたいと思います。

「ライズ~コートに輝いた希望」は、Disney+で配信中。

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