220817_bmdTheSpyWhoNeverDies_top

Blackmagic Designによると、オーストラリアの配信サービスであるStan限定の長編作品「The Spy Who Never Dies」の撮影に2台のBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K Pro、VFX、編集、カラーグレーディングにDaVinci Resolve Studioが使用されたという。これらは、インディーズ制作会社のRhythmic Filmsにおける制作方法の転換に対応する手段の一環として取り入れられた。

アクションコメディである同作は、ポール・オブライエン演じる、世界クラスのスパイであるブラッドが、ジョージア・ウォルターズ演じる、一見ありふれた獣医のベロニカと恋に落ちる様子を描いている。ブラッドが、ロシア人により盗まれた極超音速ミサイルの行方を追跡し、復讐に燃える謎の人物トライデントと戦いを繰り広げる過程で、アクション満載の大騒動に発展するが、それと同時にスパイ業の外では"普通"の恋愛関係を築こうと試みる。

本作はRhythmic Filmsが扱った最大のプロジェクトであり、新型コロナウイルスの影響により、ニューサウスウェールズ州ウロンゴンに拠点を置く同社は、濃厚接触者に対する同州の厳しい規則に従う必要があったため、制作をクリエイティブな方法で行う必要があった。コロナウイルスの感染拡大防止のための都市封鎖により、ブロックに分けて撮影しなければならず、撮影と撮影の間に不要なパーツを取り外し、リグを組み直すことで、セット内での限られた時間を最大限に活用したという。監督と撮影監督を務めたコリー・ピアーソン氏は次のようにコメントしている。

ピアーソン氏:コロナウイルスが流行し始めた頃、シネマライクな映像を得られ、なおかつ柔軟性に優れ、コンパクトで機動性の高いソリューションを探し始めました。膨大なリサーチとテストの結果、Blackmagic Designの製品に切り替えることに決めました。結果には非常に満足しています。Pocket Cinema Camera 6K ProのデュアルネイティブISOセンサーとカラーサイエンスは素晴らしいですね。そのおかげで、シネマライクなルックに妥協することなく撮影できました。

220817_bmdTheSpyWhoNeverDies_01

同作に含まれる700ショットのVFXには、完全なCGもあれば、さらなる作業を必要とする合成のショットもあったため、Rhythmic Filmsは同社の編集スタジオをDaVinci Resolve StudioおよびBlackmagic RAWコーデックを中心としたワークフローに転換した。

ピアーソン氏:Blackmagic RAWコーデックは弊社にとってゲームチェンジャーでした。ワークフロー全体が改善されました。6K RAWで撮影したのですが、データをBlackmagic RAWファイルとして、プロキシを必要とせず、直接ハードドライブにインジェストできました。また、DaVinci Resolve Studioでリアルタイムで再生して、オフライン編集を行うことができました。

この新しいセットアップとワークフローにより、効率性が上がり、コストが下がったことで、地元で制作されたユニークなコンテンツを常に求めているナイン・ネットワーク所有のStanなど、地元の配信サービス向けに同社は長編作を引き続き提供していく自信が得られたという。

ピアーソン氏:Blackmagic Designのカメラとワークフロー全体を長編の制作に今後も引き続き使用していく計画です。遅かれ早かれ、作業の効率化のために、より大きな規模の制作にこのセットアップが取り入れられることになるでしょう。

「The Spy Who Never Dies」は、Stanでオーストラリア向けに配信中。Rhythmic Filmsは、年末までに同作を世界的に配給するための交渉を現在行っている。