Blackmagic Designによると、人気のタミル映画「Mudhal Nee Mudivum Nee（原題）」が、デジタルフィルムカメラBlackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2（以下：URSA Mini Pro 4.6K G2）で全編撮影されたという。インディーズ映画である同作は、インド、ニューヨーク、マケドニアにおいて数々の賞を受賞。スジス・サラン撮影監督がURSA Mini Pro 4.6K G2を使用し、1990年代のノスタルジックな高校生活や、2022年のパブの様子をキャプチャーした作品だ。
「Mudhal Nee Mudivum Nee」は、タミル・ナードゥ州の州都チェンナイで育ち、厳格なカトリックスクールに通う高校生たちの物語である。映画の前半では1990年代後半が舞台で、その後、場面は現代に移り、同じグループのメンバーたちがパブで昔話をする姿が描かれている。この2022年の青春映画は、ダルブッカ・シヴァ氏が脚本・監督、サマー・バラット・ラム氏がプロデュースしている。
サラン監督は次のようにコメントしている。
サラン監督：「Mudhal Nee Mudivum Nee」は、自然なルックの作品にしたいと思っていました。映画を観る感覚ではなく、近くで見守っているような感覚になって欲しかったのです。また、90年代の回想では陽気な雰囲気を出し、後半のパブのシーンでは仲間たちの暗さを出すようにしたかったのです。そのためには、この両方のシナリオに対応できるカメラが必要でした。なおかつ、インディーズ映画ですから手頃な価格であることが条件です。URSA Mini Proはこの条件を完璧に満たしていました。
サラン監督は2008年に撮影監督としてのキャリアを開始し、長編映画「Alias Janaki」、「Thaakka Thaakka」、「Dhuruvangal Pathinaaru」、「Suttupidikka Utharavu」を含む、数十の作品に撮影監督として携わってきた。
サラン監督：同作は夏の間に、南インドのディープな場所で40日間近くかけて撮影を行いました。URSA Mini Proが大活躍して、撮影は滞りなくスムーズに進みました。
サラン監督がURSA Mini Pro 4.6K G2を選択した決め手となったのは、ハイダイナミックレンジ、内蔵NDフィルター、使いやすいユーザーインターフェース、多様な種類のレンズを使用できること、そしてBlackmagic RAWで撮影できることであったという。また、軽量なデザインであること、ハンドヘルドでも三脚でも撮影可能なことも高く評価しているという。
サラン監督：フィルムメーカーとして、私は自分自身に挑戦することや、自分の快適な領域からあえて抜け出すことが好きなんです。ハイダイナミックレンジとスーパー35mmセンサーのおかげで、シャドウとハイライトを特定のレベルまで上げ下げするというリスクを取ることができました。一番明るいエリアも白飛びすることなく、とてもきれいな画像に仕上がりました。また、内蔵NDフィルターがとても役に立ち、外付けフィルターを購入せずに済みました。
「Mudhal Nee Mudivum Nee」で、サラン監督とシヴァ監督は回想シーンの彩度や光沢を抑えてノスタルジックな雰囲気を演出した。これらのシーンの多くは、両氏が求める淡いビジュアルの一貫性を保つために、できるだけ人工照明を使わずに日中に撮影された。一方、映画後半全体を占める、薄暗いパブでの現在のシーンでは、低照明のセットアップでURSA Mini Pro 4.6K G2のハイダイナミックレンジを利用し、暗闇を最大限に活用したという。
サラン監督：ほとんどのシーンをカメラのネイティブISOで撮影しましたが、時にはISO1600まで上げることもありました。ノイズも全くなく、カメラは私が撮影できる範囲を広げてくれました。
毎日の撮影後、サラン監督は編集、グレーディング、VFX、オーディオプロダクションソフトウェアであるDaVinci Resolve Studioを使用して、回想シーンとパブシーンのパレットに合わせたグレーディングを行った。最終的なカラーグレーディングはナヴィーン・サバパシー氏が行い、同氏もまたDaVinci Resolve Studioを使用した。
