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ブラックマジックデザインは、放送グラフィックのために設計されたリアルタイム合成プロセッサーの新シリーズ「Ultimatte 12」4機種を発売した。ラインアップと価格は以下の通り。

  • Ultimatte 12 HD Mini:税込75,980円
  • Ultimatte 12 HD:税込136,800円
  • Ultimatte 12 4K:税込380,800円
  • Ultimatte 12 8K:税込1,068,000円

MacとWindowsに対応した新しいUltimatte Software Controlアプリも発表され、無料でダウンロードできる。このソフトウェアを使用することで、ハードウェア・コントロールパネルに追加コストをかけずにUltimatte 12の全モデルをコントロール可能。

新しいUltimatte 12シリーズは、高品質な処理性能はそのままに低価格化を実現。優れたエッジ処理、色分解、色忠実度、優れたスピル抑制に対応している。ユーザーは、展開する全4モデルから、使用するテレビ規格に適したUltimatte 12モデルを選択できる。

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Ultimatte 12 HD Mini

HDMIインターフェースを搭載した低価格のUltimatte 12 HD Miniは、ATEM Miniのユーザーが放送品質のキーイングを用いて驚くような固定カメラのバーチャルセットを作成できるように設計されている。Ultimatte 12の全モデルはフレームストアを内蔵しており、バックグラウンドにスチルを使用してキーイングを実行できる。外部機器にコストを費やすことなく、Ultimatteだけであらゆる合成を実現できるという。

Ultimatte 12の全モデルは、低価格でありながら高度なイメージ処理アルゴリズムと、広大な内蔵カラースペースに対応しており、どのモデルでも全く同じ品質の合成を作成可能だ。内部マットが自動的に生成されるため、各エリアの色に基づいてイメージの異なる部分を別々に処理できる。

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Ultimatte 12 HD

また、髪の毛などでエッジのディテールを得られ、シーン内での色と色、あるいはオブジェクト間の自然な境界を実現。すべての処理は新しい数学的/サブピクセル処理に基づいて実行され、高品質と鮮やかさを得られるとしている。

Ultimatte 12は、ワンタッチ・キーイングテクノロジーを搭載。シーンを分析して自動的に100以上のパラメーターを設定するので、作業にスピードが要求されるライブプロダクションでも余分な作業なしで優れたキーイングを実行できる。ワンタッチ・キーイングはUltimatte 12がキーイングを行うため、作業の劇的なスピードアップ可能にする。

改善されたUltimatte 12のフレア・アルゴリズムは、緑の色被りやスピルを取り除くため、非常にリアルなルックのバーチャル環境を作成できる。Ultimatte 12は、壁や床、あるいはその他のエリアの色を自動的にサンプリングし、シームレスなマットを作成して必要な修正を施す。影や、反射の映った透明なオブジェクトでも心配無用だという。

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Ultimatte 12 4K
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Ultimatte 12 8K

Ultimatte 12 4KおよびUltimatte 12 8Kは、高度な12G-SDIコネクターを搭載しており、現在のHDビデオフォーマットに加えて、未来のUltra HDおよび8Kビデオフォーマットにも対応可能。12G-SDIは、単一のBNC接続で高フレームレートUltra HDに対応でき、一般的なHD機器にも簡単に接続できる。

Ultimatte 12 HD Miniモデルは、SDIカメラコントロールをHDMIに変換する特殊な機能を搭載。これにより、HDMI接続されたBlackmagic Pocket Cinema CameraをATEM SDIスイッチャーからコントロールできる。すべてのATEMスイッチャーはSDIを介してカメラコントロールを送信するが、Ultimatteのこの機種はその信号をカメラ用にHDMIに変換する。さらにUltimatteのユーティリティでカメラ番号を追加すると、カメラのカラーコレクター、タリー、リモート収録トリガーのコントロールが可能となる。

Ultimatte 12シリーズには、MacおよびWindows対応のUltimatte Software Controlを無償で同梱。メインウィンドウには、機能ごとにメニューが複数セクションに分かれて配置されている。インターフェースはボタンや設定が多いが、各設定を直感的に移動し、実際に合成を構築しながら、短期間で使用方法を学ぶことができるとしている。

Blackmagic DesignのCEOグラント・ペティ氏は次のようにコメントしている。

ペティ氏:Ultimatteは、過去40年以上に渡り、世界で最もパワフルな放送用キーヤーとして活躍してきました。Ultimatte 12の第2世代モデルは、HD、Ultra HD、そして8Kまでに対応しています。この優れたテクノロジーをより多くのユーザーの皆様にお届けできることは、とてもエキサイティングです。

Ultimatte 12 HD MiniからUltimatte 12 8Kまで、全てのモデルで同じ高度な処理性能とアルゴリズムを採用しており、優れた放送用の合成や、映画のようなバーチャルセットを実現できます。特にこれまでキーイングを行ったことのないユーザーの方々が、新しいUltimatteでどのような作品を作るのか、非常に楽しみですね。

なお、Ultimatte 12シリーズは、IBC 2022のBlackmagic Designブース(Stand 7.C49)にて展示される。