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Blackmagic Designによると、デジタルコンテンツ領域の戦術コンサルティングを行うDENDEN株式会社が、Blackmagic Cloud Pod、ATEM Mini Extreme ISO、Blackmagic Pocket Cinema Cameraを含む数多くのBlackmagic Design製品を使用し、ライブ配信や動画制作の新しいワークフローを構築し、それらの業務を大幅に効率化したという。

DENDENは動画制作やその業務改革支援、動画収録スタジオの構築支援なども行う。同社の代表取締役である清本俊彦氏は、これまでの経験と最新テクノロジーの知見を基に、Blackmagic Design製品を使った収録から編集まで一気通貫のワークフローを構築したいと考えていた。

清本氏:コロナ禍において、ここ数年で動画コンテンツやライブ配信の需要が急激に増えました。エンターテインメント領域だけでなく、ビジネスシーンにおいても株主総会や採用イベントなどで動画コンテンツの需要は増えているものの、制作費が高く実施を断念されるお客様もいるのが現状です。

私は制作会社や広告代理店に勤務していた頃から、もっとビジネス用途の動画コンテンツ制作における作業効率を上げて、よりリーズナブルな価格でサービスを提供できないかと考えていました。

同社では、企画、技術、進行管理以外の部分を極力アウトソースして外部スタッフに現場オペレーションを委託している。また、リモートワークを前提として全国の動画クリエイターとコラボレーションするために、様々なデジタルツールを駆使しながら、異なる組織のスタッフ同士が協業しやすいワークフローを構築することで、クオリティーに直結しない事務作業を減らし、限られた予算や短い納期でも対応できるような体制を提供している。

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清本氏:日本各地で行われるライブ配信などでは、外部のスタッフに現場オペレーションの大部分を担当してもらっています。こちらからBlackmagic DesignのCloud Pod、Pocket Cinema Camera 4K、ATEM Mini Extreme ISO、Video Assist 12G HDRを含む配信機材キットを送り、現地で収録した素材をCloud Pod経由でDropboxにアップロードしてもらいます。

その後、Dropboxに格納された素材は東京のオペレーションセンターにも瞬時に同期され、弊社の編集スタッフは素材を毎回手動でダウンロードすることなく、スピーディーに編集作業を進められるという流れです。

Blackmagic Designのパワフルな製品によって、清本氏は、現場でのセットアップに時間をかけるべきか、リモートで作業した方が効率的かを判断し、プロジェクトごとにワークフローを構築できる。

清本氏:Blackmagic Pocket Cinema Cameraは12:1設定のBlackmagic RAWで収録しています。撮影当日に完璧に照明を作り込みたいと思うと、専門の照明技術スタッフが必要になりますが、RAW収録することで、撮影時は適切な位置に簡単なLED照明を2灯立てておけば、編集段階でDaVinci Resolveの各種機能を用いてノイズを抑えた明るさの調整ができます。

また、現場でクロマキー合成をしてしまうと、プレゼン資料の差し替えやエッジ部分のデザイン変更などが発生したときに修正が難しいので、オンデマンド配信案件の場合は、ポストプロダクションで合成するようにしています。弊社では、DaVinci Resolveを全面的に採用しており、あらかじめ作成したスチルを編集スタッフに共有して、それをベースに編集してもらっています。

さらに、工程ごとにスタッフの役割を明確に決め、それぞれの得意分野を一名一工程で行っているため、初稿の編集スタッフは作業が終われば修正依頼まで待機する必要がありません。つまり、確認と書き出し、さらにその後の修正対応はオペレーションセンターのスタッフが行うため、初稿の編集スタッフは動画を書き出すこともなく効率的に次の業務に進むことができます。

これまで大きな配信スタジオを使っていたお客様の中には同社のシステムをみて本当に今までと同じことができるのか、と心配する方もいます。しかし実際に弊社の現場にお越しいただくと、こんなに小さなシステムでも高品質な動画がちゃんとできるのだと、皆さん驚かれます。

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また、同社の収録配信システムに新しく追加されたBlackmagic Cloud Podについて、清本氏はこう評価する。

清本氏:最近は収録ファイルが1ラインで2TBを超えることも珍しくありません。多いときには5ライン分の素材を管理し、全て別ディスクにコピーして編集スタッフに送る必要があり、ファイルを受け取るまでに何時間もかかり、さらに転送ミスでファイルが見つからない、といったトラブルも起こり得ます。

一方でCloud Podを使えば、メディアを差し込むだけですぐに現場の素材ファイルがDropboxにアップロードされるので、そういったことを心配することなく迅速に安定したファイル管理ができるようになりました。

さらに、清本氏はBlackmagic Cloudサービスについても大きな期待を寄せる。

清本氏:Blackmagic Cloudの進化にはとても期待しています。このサービスを早速導入しましたが、プライベートネットワーク上のプロジェクトサーバーが必要なくなり、また手動でのプロジェクトファイルの受け渡しやバージョン管理が必要なくなりました。

世界中どこでもインターネットがあれば、同じプロジェクトファイルでリアルタイムにチーム全員と編集作業ができます。また、編集スタッフがディレクターへ編集の進捗を報告するための動画書き出しを行う必要がありません。さらに各スタッフの自宅には、Cloud Podで最新の素材ファイルが同期されており、Blackmagic Cloudではプロジェクトファイルのみが共有されているので、インターネット回線のスピードによらず快適にタイムラインを再生できます。

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清本氏はまた、大量の動画を短時間で書き出すために、他社のクラウドサービスでバーチャルマシーンを構築してレンダーファームとして使うことも過去に検討していたという。

清本氏:しかし、バーチャルマシーンは時間単位で料金が発生し、さらにストレージやVPNのネットワークにも料金がかかります。テレビCMや映画制作などの大型案件には適していますが、弊社が主に扱うデジタル動画広告やデジタルサイネージ、オンラインイベント動画などでは、制作期間が短く1本当たりの予算も少ないプロジェクトが大量に存在するため、制作費を抑える観点からバーチャルマシーンの導入は現実的ではありません。

その点Blackmagic Cloudなら、DaVinci Resolveのリモートレンダリング機能を利用して、日本全国の編集スタッフが弊社のオペレーションセンター内に設置されている高性能ワークステーションを用いて、高負荷な大量本数のレンダリングを迅速に行うことができます。

一方、従来のやり方ではスタッフごとに機種もスペックも異なるPCを使用しているため動画書き出し時間が異なり、稼働時間に応じた人件費も異なります。この工程を標準化することでコンテンツ品質に直結しないコストをお客様に転嫁することを避けています。

さらに、書き出し時間の短縮や人件費抑制の効果だけでなく、高価なワークステーションを一人一台導入する必要がないため、個々の動画クリエイターの経済的負担を軽減することができ、とても画期的だなと思います。