キヤノン、映像体験イベント「ヨルZEN」開催。文化財とイメージング技術を融合

2022.09.15

キヤノンは、2022年10月15日～30日に、京都府の臨済宗大本山建仁寺において、映像体験イベント「ヨルZEN（禅）－自然と共生する日本－」を開催する。

ヨルZENは、文化庁が主導する「日本博」文化資源コンテンツ創成事業の採択を受けた、キヤノン主催の特別拝観イベント。先進のイメージング技術を活用することで、文化財の中で表現された自然や生き物に命を吹き込んだかのような動きある展示演出を行う。また、作品に込められたメッセージを映像で可視化し、日本文化の理解促進に貢献するとしている。

展示内容

天井画「双龍図」のAR視聴

建仁寺法堂（はっとう）の天井画「双龍図」を、AR（Augmented Reality：拡張現実）で視聴できるコンテンツを展示する。キヤノンの独自技術により、縦11.4m×横15.7m・天井高10.8mの「双龍図」の分割撮影を行い、18.4億画素の画像に合成。実際の天井画にスマートフォンのカメラをかざすと、「仏法の守護者で、慈愛の雨を降らせる神」であるとされる龍のAR映像が動き出す。さらに、肉眼では見られない筆跡などをスマートフォン上で拡大して鑑賞できる。

撮影には、ミラーレスカメラ「EOS R5」およびRFレンズ「RF70-200mm F2.8 L IS USM」を使用した。

枯山水「大雄苑」のMR体験

建仁寺方丈庭園の枯山水「大雄苑」でのMR（Mixed Reality：複合現実）体験できる。キヤノンのMRシステムのヘッドマウントディスプレイ「MREAL S1」（2021年2月発売）を用いて枯山水を見ると、現実空間に重ねられた3D CGが出現。禅の世界観をモチーフにした、神秘的で臨場感のある映像体験ができる。

コンテンツ制作には、CG-ARTS、演出家のタグチヒトシ氏（GRINDER-MAN）および株式会社ライノスタジオが協力した。

国宝「風神雷神図屏風」のプロジェクションマッピング

国宝「風神雷神図屏風」（高精細複製品）に合わせたプロジェクションマッピングを行う。プロジェクターを2台使用し、「風神が種を運び、雷神が雨を呼び、五穀豊穣がもたらされる」というストーリーを描いた迫力のある映像を投影。なお、同高精細複製品は、キヤノンと京都文化協会（NPO）が共同で進める「綴プロジェクト」で制作され、昨年建仁寺に奉納されたもの。