Telestream、同期化ツール「SPG9000」を発表。独立したPTP用1G/10G ポートを搭載

Telestreamは新しいタイミングおよびリファレンスシステム「SPG9000」を発表した。本体およびオプションは2022年9月より注文開始予定。

SPG9000は、同期化ツールで、2系統の独立した1G/10G IPポートが特長。ST2110をはじめIPビデオ規格で広く使われているPTP(Precision Time Protocol)メッセージを異なるネットワーク間であってもすべてのクロックとデバイスに送信し、グランドマスタークロックリファレンスとして指定したデバイスとの同期を保つ。

また、デュアルバンドのマルチシステムGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)受信機を組み込み、正確にタイミングを合わせることも可能。世界中の主要な複数の衛星をクロックソースとして使用するため、グローバル市場のニーズに対応できるとしている。

■搭載予定の機能

  • 独立したPTP 用1G/10Gポート×2
  • デュアルリーダー、デュアルフォロワー、フォロワー+リーダーの各構成をサポートする PTP(Precision Time Protocol)ネットワーク構成
  • アナログゲンロック入力、複数のブラックおよびタイムコード出力(従来の設備およびハイブリッドSDI/IP 設備に対応)
  • デュアルバンドのマルチシステム GNSS受信機:NAVSTAR GPS、ロシアのGLONASS、EUのGalileo、中国のBeiDou、日本の準天頂衛星システム(QZSS:みちびき)に基づいてタイミングを確立

Ordinary Clockモードでは、システムがリーダーモードとフォロワーモードを動的に切り替える。またグランドマスターのバックアップとして使用すると、同製品はアクティブなグランドマスターと同期した状態を維持。GNSS接続やブラックバーストは必要ないという。

同製品には、IPとSDIの両方に対応した包括的なテスト信号生成機能がオプションで用意されている。ソフトウェアライセンスを追加すると以下の機能を有効にできる。

  • SDからHD/2K、UHD/4Kまでのフォーマットに対応した、複数のビデオ/オーディオ/データテスト信号ジェネレーター
  • 4系統の独立したマルチレート(270M、1.5G、3G、6G、12G)SDI出力用のビデオ、オーディオ、アンシラリーデータジェネレーター
  • ST2022-7の冗長化に対応した、2系統のST 2110テスト信号ストリーム用10G/25Gイーサネットポート
  • IP送信構成のNMOS(Networked Media Open Specifications)管理

※信号ジェネレーターは、アップグレード可能なファームウェアライセンスとして後日提供予定

また、従来の多くのデバイスとは異なり、同製品にはアクティブな電源とアイドル状態のバックアップ電源を搭載。2つの電源の劣化速度が異なることで、両方が同時に故障する可能性を最小化できるとしている。