ボリュメトリック映像の制作風景:撮影シーン

キヤノンマーケティングジャパン株式会社が、スポーツ庁が推進する「スポーツ×テクノロジー活用推進事業」に参画し、スポーツの場におけるDX推進などを支援することがわかった。公益財団法人全日本柔道連盟とともに、ボリュメトリックビデオ技術を活用した新しい楽しみ方や視聴体験を通し、スポーツ産業の成長促進に貢献していくという。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、スポーツ業界では多くの競技において、大会の中止・延期、競技人口の減少、テレビ放映の減少など、さまざまな問題が顕在化した。このような状況に対しスポーツ庁では、令和4年度スポーツ産業の成長促進事業「スポーツ×テクノロジー活用推進事業」の公募を行い、同社の参画が決定した。

同事業において、「スポーツの場におけるDX推進等支援事業」について提案を行い、

  1. 試合や大会等の場面での新しい観戦体験の楽しみ方を提供する取り組み
  2. NFTなどによるファンエンゲージメントを高める取り組み
  3. DXを取り入れた団体などの収益構造改革に資する取り組み
  4. ※Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略。ブロックチェーン技術により、デジタル資産の偽造・改ざんを防ぎ、所有者を明確にすることが可能

の3点が採択された。同事業に向けた施策を全日本柔道連盟とともに2023年3月末まで取り組むとしている。

ボリュメトリック映像の制作風景:映像確認の様子

具体的には、キヤノンのボリュメトリックビデオ技術をはじめとする先進のテクノロジーを活用し、柔道の新たな楽しみ方を提供する。柔道は日本を代表する競技の一つとして高い人気を誇りながらも、競技人口の減少やテレビ放映の減少といった課題に直面している。改めて魅力をより多くの人に発信するため、2022年12月3日・4日に開催するグランドスラム東京2022大会に向けたプロモーション映像の制作やNFTデジタルトレーディングカードの配布、360°あらゆる視点で視聴可能な自由視点コンテンツの体験ブースの設置などを実施するという。

主な施策内容の詳細は以下の通り。

(以下、プレスリリースより引用)

■1.ボリュメトリックビデオを用いたプロモーション動画の企画プロデュース・公開

ボリュメトリック映像だからこそ表現できるダイナミックなカメラワークとハイクオリティなCGを掛け合わせて、既視感のないインパクトのある動画を制作します。SNS施策などとの連携で、既存の柔道ファンのみならず、これまで柔道に馴染みがなかった層との接点を生み出し、波及・拡散を行います。また、著名な柔道現役選手にご出演いただき、既存のファンにも新たな柔道の見せ方を伝えていきます。

  • 出演柔道家:大野将平選手/ウルフ・アロン選手順不同
  • 公開メディア:YouTube(全柔連TV・YouTubeチャンネル内)
  • スケジュール:2022年11月下旬公開予定

■2.NFTを活用したボリュメトリックビデオ版デジタルトレーディングカード「JUDOコレカ(仮)」の実証実験

Xクリエーション株式会社のノウハウを活用し、NFT技術により唯一性が確保されたNFTデジタルトレーディングカードを制作します。通常版に加え、スペシャルカードとして著名柔道家のボリュメトリックビデオ版のカードも作成し、グランドスラム東京2022の大会会場への来場特典として配布を予定しています。
出演柔道家:井上康生氏/大野将平選手/ウルフ・アロン選手/素根輝選手順不同

  • スケジュール:2022年12月上旬配布予定

■3.柔道の技を360°自由視点で見ることのできるコンテンツ「柔道オールビュー(仮)」の企画プロデュース

ボリュメトリック3Dデータにより、選手が繰り出す得意技の決定的なシーンをさまざまな角度から視聴体験ができるコンテンツを制作します。グランドスラム東京2022大会にご来場される柔道ファンに対し、大型ディスプレイとハンドトラッキングセンサーを活用し、子どもから大人まで直感的に楽しめる「柔道オールビュー」イベントブースを大会会場に出展します。さらに、ゲーム感覚で、映像を360°自由自在に動かしながら、好きな視点で楽しむことができるウェブコンテンツの制作も予定しています。

  • 出演柔道家:大野将平選手/ウルフ・アロン選手/素根輝選手順不同
  • イベントブース開催日:2022年12月3日(土)・4日(日)開催 グランドスラム東京2022大会会場にて
  • ウェブコンテンツ公開日(予定):2023年3月