東宝株式会社は、取締役会において、同社の連結子会社である株式会社東京現像所の事業を終了することについて決議した。
東京現像所は、フィルム現像、デジタル技術を用いた映像の合成・編集、劇場上映用デジタルデータ(デジタルシネマパッケージ=DCP)の制作、映像アーカイブ(旧作映画の保存・修復)等の映像関連サービスを行っている。
一方、東宝は今年年9月、株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービスとの間で、DCPの劇場向けデリバリーサービスを行い、将来においては物理的なデリバリーサービスからデジタル配信サービスの提供を目指す新会社を共同で設立することについて合意した。この合意を受けて、東京現像所においては、同社が行っているDCP事業について、2023年3月31日をもって終了することを決定した。
東京現像所については、DCP事業の終了によって大きな業績影響を受けることが予想されることから、今後の方向性について抜本的な検討を行ってきたという。DCP事業以外の残存事業のみで同社が持続的に安定した経営を行っていくことは困難であると判断し、今回、2023年11月30日(予定)をもって同社の全事業を終了することにしたとしている。
なお、東京現像所が行っているDI(Digital Intermediate=デジタルによる映画の色彩等の調整)事業およびアニメ・テレビ作品の編集事業については、同社連結子会社であるTOHOスタジオ株式会社がサービスを引き継ぐ予定だという。また、同じく東京現像所が行っている映像デジタルアーカイブ事業については、これを事業目的とする新会社を設立し、サービスを引き継ぐ予定。
これらにより、同社グループの映像関連サービス事業を「東宝スタジオ」に集約し、デジタル技術の発展に対応したより良い映像制作環境の提供に努めていくとしている。