IMAGICA GROUPは2022年11月25日~26日、同社グループ総合力展「IMAGICA GROUP EXPO」を開催した。IMAGICAは映像の企画から制作、映像編集、配信・流通に至るまでの36ものグループ会社を展開しており、それらが連携してワンストップのサービス提供を特徴としている。その一端を紹介したのが今回の展示会だ。

グループ各社を紹介する「個社別展示」、グループの連携により創出した新しい映像体験を紹介するメタバース、スポーツテック、宇宙エンタテインメントなど10個の「テーマ展示ならびに体験ブース」、「ステージセッション(2日間で合計5本)」を公開した。

25日はビジネスデイで、グループ各社やグループ各社が連携した事例、新しい映像体験などを紹介する目的として開催。26日はファミリーデイで、グループ従業員の家族などに日頃から取り組みを知ってもらう機会として開催。一般公開のない展示会だったが、ビジネスデイの一部を取材することができたのでその様子を紹介しよう。

高精細映像やXR技術を活用した新たしい映像体験

ライブエンタテインメントのコーナーでは、未来志向型の⾼臨場感ライブビューイング「VISIONS」をはじめ、世界中の放送局で多数の実績を誇る3Dリアルタイムグラフィックスシステム「Vizrt」を使用し、XR画像処理技術でイベント会場とCGをリアルタイムで融合させた映像、ヘッドマウントディスプレイを装着して楽しむメタバース上の最先端ボリュメトリックライブなどを展示した。

高臨場感ライブビューイング「VISIONS」

パブリックビューイングの新しいスタイル「VISIONS」

「DRUM TAO 祭響 RELIVE」ライブビューイングの様子。圧巻の映像で、実際にステージを見ているかのように感じられた

ボリュメトリックライブ「THE ISS METAVERSE」

IMAGICA EEXはJAXA協力のもと、国際宇宙ステーションを体験できるメタバース空間中で2人組女性ラップ・デュオchelmico出演のメタバースライブ制作を協力。その体験デモが行われた。

ヘッドマウントディスプレイ内の映像の様子。宇宙飛行士のアバターとなり、リアルに再現された地球と国際宇宙ステーション(ISS)のあるメタバース上で、女性ラップ・デュオのchelmicoのライブパフォーマンスを楽しめる

VRとドーム映像による没入体験

お魚のイラストを大パノラマのVR海中探索を通して楽しむ没入型ギャラリー「さかなクンと秘密のラボ」と、360°ドーム型のオリジナルストーリーで恐竜が生きて実在するかのような世界観を体験出来る恐竜体験コンテンツ「LOST ISLAND DINO-A-LIVE」を展示した。

ドーム型映像体験「LOST ISLANS SINO-A-LIVE」

ドーム型恐竜体験コンテンツ「LOST ISLAND DINO-A-LIVE」を展示。8Kカメラ撮影による4Kフル解像度の映像が360°ドーム空間全体を包み込み、生きている恐竜が実在するかのような世界を体験できる。

先端テクノロジーの研究開発紹介

研究開発組織のIMAGICA GROUPアドバンストリサーチグループでは、事業会社のR&D組織と連携し、国内外の大学と各種研究開発を実施。研究テーマは、アニメの自動彩色や音声合成、動画像の自動修復など、AIの技術をグループ内の専門分野に活かせる研究開発をメインに行っている。今回の展示会では、その研究結果の一部が公開された。

輝きや反射をディスプレイ上で再現

イノラックスジャパンの「きらめきディスプレイ」は、従来ディスプレイの表示要素に欠けていた自然界で見えるきらめきを高解像度、高光線密度で再現可能。裸眼(特別なメガネなどの装着なしで)で見る方向によって異なるきらめきを再現できる。

新しいアルゴリズムと特別なFPD技術により、実物の表面光沢イメージの表現をディスプレイで可能にしている

ライトフィールドディスプレイの研究開発

裸眼で3D映像が見られる「ライトフィールドディスプレイ」を展示。ライトフィールドディスプレイは光を光線として扱い、光線の進行方向を制御が可能で、従来より視野が広く、画面の明るいライトフィールドディスプレイを実現。人の顔が実物大で3次元表示できるサイズを特徴としており、表情の微妙な変化を忠実に再現できるとしている。

見る人の位置によって異なる角度の画像が見えて、立体的に見える

映像制作ワークフロー紹介

カラーグレーディング・番組編集・テロップ制作・CM素材の加工技術、MAの整音・MIXの5つのポストプロダクションワークフローならびに、クリエイターの技術を実演デモで紹介した。

IMAGICAイベントメイン写真

独創的な画像処理技術を紹介

病院の循環器部門を強力にサポートする「動画ネットワークシステム」や独自光学素子である「フォトニック結晶」・赤外ハイスピードカメラ・偏光ハイスピードカメラといった光学計測製品群を展示した。

ハイスピードカメラを用いたゴルフスイングのスローモーション映像体験

IMAGICAグループではハイスピードカメラの自社開発、国内生産をしており、民間企業の研究開発部門や公的研究期間、大学の学術施設など世界40カ国以上で活用されている。会場ではゴルフの試打を行い、ハイスピードカメラを使用したインパクトの瞬間を確認できるコーナーを設けていた。

映像を通じた体験型教育ワークショップを紹介

リアルタイムバーチャルシステムで2100年の気象キャスター体験

2100年に起こりうる気象や環境の変化を気象予報士監修のもとバーチャルで表現し、「未来の気象キャスター」として体験ができるリアルタイムバーチャルシステムを展示した。

オンラインスポーツジム体験

映像を用いたトレーニング「SIXPAD HOME GYM」

専用のEMS(筋電気刺激)トレーニグスーツやバイクを使用してアプリから配信されるレッスンをオンラインで受け取ることができるトレーニング「SIXPAD HOME GYM」を展示。EMSの刺激、動作、BGM、映像、インストラクターのエールがシンクロするSIXPAD WAVEを特徴としている。

レッスンをオンラインで受けることができる先進のトレーニングをデモ